「俺たちにとって宝物」只見線復活支えた“絶景写真”海外から観光客が大挙(2022年11月7日)

「俺たちにとって宝物」只見線復活支えた“絶景写真”海外から観光客が大挙(2022年11月7日)

「俺たちにとって宝物」只見線復活支えた“絶景写真”海外から観光客が大挙(2022年11月7日)

福島県の会津若松と新潟県の小出を結ぶJR只見線が、豪雨災害からの復旧を果たし、先月1日、11年ぶりに全線再開。一時は、存続が危ぶまれながら“奇跡の復活”を果たしました。この1カ月間、まるで朝の通勤電車のような混雑ぶりが続いているそうです。

只見線復活からのひと月で、徐々に色づいてきた奥会津の風景。今、まさにピークを迎えた絶景が、数多く見られます。

列車は、只見線のシンボルともいえる『第1只見川橋梁』へと向かいます。橋に差し掛かると、景色を楽しめるように列車の速度を落として走行します。只見駅では、集まってきた近所の人々のお出迎えもあります。

豪雪地帯の住民の足として、只見線は51年前に、全線開通しました。しかし、それから間もなく、車社会の到来。地域の過疎化で、利用客は減少の一途をたどります。そこに追い打ちをかけたのが、11年前の豪雨災害です。線路の橋げたが崩壊するなど、甚大な被害をもたらし、途中区間が寸断されてしまいました。

復旧にかかる費用は約81億円(当時)。JRは、被災区間をバス路線に替えることも提案していました。その流れに待ったをかけたのが、地元出身の写真家・星賢孝さん(73)です。星さんは、30年前から、只見線が走る奥会津の風景を撮り続けてきました。
郷土写真家・星賢孝さん:「あれが“大志集落”。日本の原風景のたたずまいが残る。列車が入ることで風景に“命が宿る”。魂が吹き込まれる」

只見線がなくなれば、地域はますます衰退していく。そうした危機感から写真を発信してきた星さん。その思いは、海の向こうへと届いていました。星さんの写真で只見線を知った人々が、「自分もこの風景を撮りたい」と、海外から大挙してやってきたのです。
郷土写真家・星賢孝さん:「(観光客が)毎日毎日来るから。『ここの景色はそんなにいいのか』『只見線はそんなにすごいのか』その姿を見て皆さん『俺たちにとっての宝物なんだ』と気付いた」

その熱気が、地元の人たちや自治体を動かしました。『上下分離方式』での復活が決まりました。列車は、JRが運行し、駅や線路は県が保有。年間約3億円の維持費には、税金も投入されることになります。それでも、只見線はこの地方に十分な恩恵をもたらすと、星さんは信じています。

郷土写真家・星賢孝さん:「只見線は赤字でも、只見線があるから世界中から人が来る。とんでもない経済波及効果を及ぼす。いま、スタートラインに立った。世界中に発信して、只見線を“日本の宝”にする。闘いはこれから大変よ」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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