北朝鮮またミサイル4発…総費用は167億円超“死の白鳥”投入も(2022年11月5日)

北朝鮮またミサイル4発…総費用は167億円超“死の白鳥”投入も(2022年11月5日)

北朝鮮またミサイル4発…総費用は167億円超“死の白鳥”投入も(2022年11月5日)

5日に公開された米韓軍事演習の映像のなかで飛行しているのは、“死の白鳥”と呼ばれるアメリカ軍の「B1B」戦略爆撃機です。音速を超えるマッハ1.2という驚異的なスピードでグアムから朝鮮半島まで、わずか2時間で到達可能。敵レーダーに探知されにくいステルス機能を併せ持ち、敵陣に侵入して大量の爆弾を投下できる爆撃機です。金正恩総書記が“最も恐れる爆撃機ともいわれ、軍事演習への参加は北朝鮮への強い「警告のメッセージ」を送るためのものです。

北朝鮮はきょうも中国大陸と朝鮮半島の間にある黄海に向け短距離弾道ミサイルを4発、発射したと発表。今月2日には少なくとも23発、その翌日の3日には6発…。

連日のミサイル発射で緊張が続く北朝鮮情勢。一連のミサイル発射にかかった費用は推定で167億円以上。この数字を試算したアメリカ大手シンクタンクの研究員は…

米国ランド研究所 ブルース・ベネット上級研究員
「北朝鮮は様々な種類のミサイルを発射している。ICBMは1発3000万ドル(約44.1億円)、短距離弾道ミサイルは1発300万ドル(約4.4億円)です」

この金額は、北朝鮮が1年間に中国から輸入したコメの総額を超える金額です。なぜここまでコストをかけてまでミサイルを乱発するのでしょうか?北朝鮮情勢に詳しい専門家は米韓合同軍事演習に対する反発だと指摘します。

元国連安保理 北朝鮮制裁委員会 専門家パネル委員 古川勝久さん
「北朝鮮とアメリカ・韓国の間に今、対話のチャンネルはありません。このような中で、金正恩氏からすれば、アメリカ・韓国がいかにこれが合同軍事演習だということを主張しても、軍事演習がいつ自分を実際に殺すための軍事作戦に転換しうるか、そういう思いが北朝鮮指導部にあるものと憶測されます」

先月31日からアメリカと韓国が行っている合同空中演習「ビジラント・ストーム」。米韓の軍用機およそ240機が参加する過去最大規模の軍事訓練です。今月4日で終了する予定でしたが、北朝鮮のミサイル発射などを受けて5日まで延長しました。

これに対し、北朝鮮外務省の報道官は「攻撃型の戦争演習」だと非難。訓練の延長については「持続的挑発には持続的対応が伴う」「最後まで超強力に応じる」と述べ、追加の軍事挑発を宣言しています。

北朝鮮が3日に発射した1発はICBM(大陸間弾道ミサイル)とみられ、アメリカ本土にも到達するとされています。今回の発射は、通常の発射方法よりも高く打ち上げるロフテッド軌道により、ミサイルは2000キロまで打ち上げられ、そのまま空中で分離して速度が落ちて750キロ辺りの日本海に墜落したとみられています。韓国軍は、今回のICBMの打ち上げは“正常な発射に失敗した”とみていますが…

元国連安保理 北朝鮮制裁委員会 専門家パネル委員 古川勝久さん
「単純にこれが失敗であると片づけるべきではない、成功した要素があるすればミサイルの1段目と2段目の切り離し、この能力の検証を行った可能性があります」

そして、懸念される7回目の核実験については…

元国連安保理 北朝鮮制裁委員会 専門家パネル委員 古川勝久さん
「いつ核実験が行われてもおかしくない、そういう状況だと思います。アメリカの中間選挙の時期に合わせてこれから11月はじめまでに行う可能性は十分あると思います」

サタデーステーション 11月5日OA (C) CABLE NEWS NETWORK 2022
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