【梨泰院事故】募る疑念…警察トップへの報告は2時間後 報告、指揮系統に問題か(2022年11月3日)

【梨泰院事故】募る疑念…警察トップへの報告は2時間後 報告、指揮系統に問題か(2022年11月3日)

【梨泰院事故】募る疑念…警察トップへの報告は2時間後 報告、指揮系統に問題か(2022年11月3日)

 韓国・梨泰院(イテウォン)の雑踏事故で犠牲になった小槌杏さん(18)の遺体が3日午後、日本に帰国しました。そして事故当日の警備体制への批判が高まるなか、警察トップへの報告が発生の2時間後だったことが分かりました。

 ソウル・梨泰院での雑踏事故から5日、犠牲となった日本人留学生・小槌杏さんは無言の帰国となりました。

 この約3時間半前には小槌さんの家族も帰国。

 ともに我が家に帰る思いを2日、コメントしていました。

 小槌杏さん遺族のコメント:「素直で優しくちょっぴりマイペースな娘は私たちの宝物です。一日も早く我が家に一緒に帰りたい、そう願っております」

 もう1人の日本人犠牲者・川芽生さん。

 2日、冨川さんの父親が日本の超党派の国会議員らとともにソウル市内の献花台を訪れ、追悼を行いました。

 冨川芽生さんの父・歩さん:「(Q.おいくつだったんですか?)26歳です。まだこれから、やっと」

 冨川さんの家族と芽生さんの遺体は4日に帰国する予定です。

 一方、警備体制への批判は日に日に高まっています。

 街の人:「通報が殺到していたにもかかわらず、警察が出動しなかったことに非常に憤りを感じます。まず警察庁長官が責任を取ってほしい」

 警察庁長官に関しては新たな問題も…。警察トップへの報告が遅れたことで警察への疑念が募っています。

 なぜ、警察庁長官への報告は2時間も遅れたのでしょうか。

 雑踏事故への対応を巡り、新たな警察の不手際も明らかとなりました。

 尹熙根(ユン・ヒグン)警察庁長官:「国民の期待に応え、警察の責務を果たすため『泣いて馬謖を斬る』覚悟で臨みます」

 事故2日後に三国志の故事を用いて覚悟を述べた尹熙根警察庁長官。韓国メディアによりますと、韓国警察トップの尹警察庁長官に事故の一報が入ったのは発生から約2時間後でした。

 その5分後には機動隊の動員などを指示しましたが、現場ではすでに多くの人が心肺停止となっていました。報告が遅れたことに対し、政府は…。

 中央災難安全対策本部:「(Q.警察庁長官への報告はどのように?)普段、警察署から市や道の警察庁に報告が入ると、そこから警察庁の通信指令室に状況が報告されます。今回はこの部分がスムーズにいかず、報告が遅れたと思います」

 警察の報告や指揮の体系が正常に作動しなかったのも事故を大きくした一因ではないかと指摘されています。

 実は、韓国では今から17年前にも多くの人が集まったことが原因で多数の犠牲者を出した事故がありました。

 2005年に尚州(サンジュ)行われたコンサートで1万人余りの観客が一度に押し寄せ、11人が死亡して162人がけがをしました。

 これをきっかけに政府は安全マニュアルを作成し、規定を強化。

 しかし、今回のように主催者がいない場合は、この規定が適用されることはありませんでした。

 尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は事故後、決意を新たにしています。

 韓国・尹錫悦大統領:「行事の主催者がいるかいないかを問うのではなく、国民の安全が重要で、徹底的な対策を作らなければなりません」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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