【韓国・梨泰院転倒事故】家族がコメント「宝物が目の前から消えてしまった」

【韓国・梨泰院転倒事故】家族がコメント「宝物が目の前から消えてしまった」

156人が亡くなった韓国・ソウルの梨泰院（イテウォン）で起きた転倒事故で、韓国警察庁は対応が適切だったのか究明するため、ソウル警察庁など8か所に家宅捜索に入りました。また、亡くなった2人の日本人のうちの1人、小槌杏さんの家族がコメントを寄せました。

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持ち主と離ればなれになった多くの荷物。

記者
「ハロウィーンの仮装のような洋服。また、奥には現場で踏みつけられてしまったのか、激しく汚れているニット帽、ダウンコートもあります。あまりの数の多さに言葉が出ません」

犠牲者の所持品が並べられた会場には、事故に巻き込まれた人の家族が訪れていました。2日午後、亡くなった冨川芽生さん（26）の父親も訪れました。

24歳の娘が全治1か月のケガをしたという女性は――

娘が全治1か月のケガ
「『ママ、感覚がなくなっている。足の感覚が感じられない』と言ってました。（娘の）一番親しかった友人が亡くなりました」

失われた未来。

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韓国・ソウルの繁華街、梨泰院で起きた転倒事故。20代を中心とする若者、合わせて156人が命を落としました。現場には日に日に弔いの花が増え、足を止める人の姿もありました。

癒えることのない深い悲しみ。突如、夫を失った女性は5歳の子供を育てる母親で、お腹の中には2人目の子供がいるといいます。

夫を失った女性（27）
「今はまだ子供なので、わからないみたいです。『パパはいつ来るの？』と聞いてきます。私はもうここにいられそうにない。韓国に住めなそうです」

大きすぎる喪失に、批判が強まり続けています。韓国の警察が1日に明らかにしたのは、事故前に寄せられた通報でした。「人が上下から押し寄せて、圧死しそうだ」、「大事故が起きる一歩手前だ」など、その数、11件。事故が起きる4分前まで、通報があったといいます。

しかし、警察が出動したのは、そのうち4件にとどまりました。その後、大勢が入り乱れ、多くの命が失われることになりました。

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2人の日本人も、抱いていた夢を絶たれることになりました。2日、小槌杏さん（18）の家族がコメントを寄せました。

小槌杏さん（18）の家族
「娘は、韓国の文化やファッション、音楽に興味を持ち、将来は日本語教師になりたいという夢を持っておりました。8月末より渡韓し色々な国や年齢の友人ができ、とても楽しいと日々話しておりました。まさに夢への第一歩を踏み出したところでした。素直で優しく、ちょっぴりマイペースな娘は、私たちの宝物です。その宝物が目の前から消えてしまった現実を、今はまだ受け止めきれずにおります。たくさんの人に愛され、支えられた彼女の人生は幸せであっただろうと思います。一日も早く、我が家に一緒に帰りたい、そう願っております」

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冨川芽生さん（26）は、「韓国語を使った仕事をしたい」と韓国へ向かいました。留学してからも、毎月のように連絡をとっていた冨川さんの親友は――

冨川さんの親友　大沼美咲さん
「韓国人に対して日本語を教えるアルバイトが決まったよって。むこうで、少し気になる男の人ができたよって報告もありました」

充実していた日常が一変した今回の事故。

冨川さんの親友　大沼美咲さん
「まだまだ、これからやりたいことがたくさんある若い人たちが亡くなって、悲惨な事件だったと感じます」

韓国警察庁の特別捜査本部は2日午後、事故の原因究明のためソウル警察庁のほか、担当する警察署や区役所など8か所に家宅捜索に着手しました。韓国メディアによると、通報の関連資料などを押収し、対応が適切だったかなどを調べる方針です。（2022年11月2日放送「news every.」より）

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