【アメリカ】インフレに耐えられない…存在感増す“ヒスパニック” 中間選挙を前に“支持”変化
アメリカでいま、人口が増え存在感を増しているのが、中南米にルーツを持つ「ヒスパニック」の人たちです。移民に寛容なバイデン政権を支持してきたヒスパニックの人たちが、中間選挙を前に、考えを変え始めています。その理由とは…。
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24日、アメリカ・テキサス州南部にあるメキシコとの国境近くの街で、お祭りが行われていました。
橋本雅之記者
「祭りに来ている人のほとんどが、ヒスパニックの人たちです」
アメリカでは近年、中南米にルーツを持つヒスパニックが急増し、人口の2割を占めるまでになっています。
今、そのヒスパニックの人たちは「バイデンは良いリーダーとは思わない」「バイデンはあまり好きではない」と口にしています。
ヒスパニックといえば、移民に寛容なバイデン政権を支持してきたはずでしたが、「何もかもが高い」「食べ物の値段? ばかげているよ」と記録的なインフレへの不満が渦巻いていました。
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ヒスパニック票を取り込もうと、“あの人”が動き出しました。
橋本雅之記者
「トランプ前大統領が、会場に姿を見せました。ものすごい歓声が沸き起こっています」
中間選挙が迫る中、トランプ前大統領は22日、共和党候補の応援演説を行いました。
トランプ前大統領
「トランプ政権下では、インフレのない史上最高の経済があった。バイデンと民主党が最悪のインフレを作り出した」
会場には、ヒスパニックの姿も見られました。この日、初めてトランプ集会に参加したフェルナンドさんは、これまでは民主党支持でしたが、「今回は共和党に投票しますよ。民主党は間違った方向に進んでいます」と話しました。
トランプ前大統領
「全てのヒスパニック系アメリカ人を歓迎します。我々は共に、アメリカを再び輝かしい国にできる」
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今、フェルナンドさんの暮らしは、どうなっているのでしょうか。
フェルナンドさんの妻
「これで7ドル15セント(約1045円)! 本当に? なんてこと…」
フェルナンドさんの息子
「これは?」
フェルナンドさんの妻
「いくら?」
フェルナンドさんの息子
「4ドル89セント(約714円)」
フェルナンドさんの妻
「ダ~メ」
スーパーで購入したのは、1ドルほどのジュースです。肉や卵には高くて手が出せず、甘いジュースで空腹を紛らわせる日もあるといいます。
フェルナンドさんの妻
「高すぎます。卵は5ドル(約732円)、肉は16ドル(約2343円)ほどもするので、買えません」
ヒスパニックの多くは低所得層のため、ヒスパニックの多くが、今のインフレに耐えられずにいるのです。
フェルナンドさん
「ただ当たり前の生活を送りたいんです。お金の支払いに追われて目を覚ますのは、もうこりごりです」
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“民主党離れ”は他の町でも…。アリゾナ州でタコス店をフードトラックで営むファビアンさんの両親は、メキシコからの移民です。具材の肉の仕入れ値は、この1年で2割ほど上がったといいます。
ファビアンさん
「インフレの状況は最悪ですが、それに合わせて、うまくやっていくしかありません」
値上げを踏みとどまることで客足が伸び、なんとか店を続けています。
アリゾナ州では、2020年の大統領選挙でバイデン氏が勝利しました。ファビアンさんも民主党支持でしたが、「物価高騰は民主党に責任がある。次は共和党に投票したい」と話しました。
民主党から離れていくヒスパニックの人たち。記録的なインフレは、中間選挙を大きく左右することになりそうです。
(2022年10月28日放送「news every.」より)
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