「あらゆる必要な措置をとる」“台湾シフト”強める中国 欧米は関係強化で対抗｜TBS NEWS DIG
台湾統一に向け、先週、閉幕した共産党大会で並々ならぬ意欲を強調した中国。一方で、欧米からは議会要人らが台湾を相次いで訪問、関係強化の動きを活発化させています。
きのう中国の革命の聖地・延安を訪れた習近平国家主席と新しい最高指導部の面々。その習氏が、3期目の課題として全面に打ち出すのが「台湾」。
先週の中国共産党大会では「台湾統一」について…
中国 習近平国家主席
「決して“武力行使”の放棄を約束せず、あらゆる必要な措置をとるという選択肢を残す」
わざわざ「武力行使」という言葉を用い、また、党大会では党の憲法とも言える規約が改正され、「台湾独立に断固として反対する」と新たに盛り込まれました。さらに、指導部の人事でも「台湾シフト」ともいえる起用が…
台湾などを管轄する統一戦線工作部の部長に異例となる党幹部を充て、また、軍の最高意思決定機関である中央軍事委員会の副主席に台湾を管轄する東部戦区の前の司令官を起用。
前司令官は、アメリカのペロシ下院議長の台湾訪問に反発し、行われた大規模な軍事演習を立案したと言われ、党幹部ではなかったにも関わらず、いきなりの指導部入りとなりました。
一方、中国が台湾への圧力を強める中でも欧米を中心に議員団などの台湾訪問が相次いでいます。ペロシ議長の訪問以降、台湾の蔡英文総統と各国要人との会談は公開されているだけで15回。ドイツの超党派の議員団は、今月2回も台湾を訪れています。
台湾 蔡英文総統
「台湾に対するドイツ連邦議会の固い支持を示すものだ」
そのドイツの議員団は、台湾訪問後に訪れた日本で会見。
ドイツ連邦議会 ハイト議員
「台湾は、中国の権威主義的な支配とは対極にあり、軍事的な脅威にさらされている」
中国と対抗するうえで、価値観を共有する国々が協力する必要があると訴えています。
また、ドイツなどと同様、今月、議員団が台湾を訪問したカナダは、太平洋近海での共同作戦に参加するなどしてインド太平洋地域への関与を強化。21日、広島県の海上自衛隊基地に到着したカナダ海軍のフリゲート艦「バンクーバー」は先月、アメリカ軍のミサイル駆逐艦とともに台湾海峡を通過しています。
カナダ ジョリー外相
「私達は国際法に則った秩序を示す事が重要と考えます。台湾海峡は、国際水域です」
カナダの外相は、外交政策の優先課題はインド太平洋だと強調。
また、カナダ海軍は海上自衛隊とも、合同で台湾海峡を航行する可能性もあるとしています。
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