【なぜ?】キッカケはシカ?3人死傷の衝突事故 増え続ける関連事故の“意外な背景”(2022年10月27日)
26日北海道で2人が死亡、1人が重体となる交通事故が起きました。そのきっかけはシカ、とみられています。実はシカが関連する事故は増え続けていて、去年は4000件を超えて、5年前の2倍となっています。その背景には新型コロナの影響も。
去年、北海道・根室市。日が落ちた国道を走っていると…。
今、自動車がシカと衝突する事故が急増しています。
26日夕方、北海道標茶町の国道でシカによるとみられる事故が起きました。
警察によりますと、ワンボックスカーがシカとぶつかり、対向車線にはみ出してトラックと衝突したとみられます。この事故で2人が死亡、1人が重体です。
目撃者:「もうすごい音でしたね。衝撃音と、車がはねて。やったなと思って、すぐ駆け付けたら乗用車の人がもうぐったりしていた。車の状態はひどかった。ぐっちゃぐちゃで」
現場は、片側1車線の直線道路で、警察が詳しい状況を調べています。
また、27日未明にも、北海道旭川市でシカと車の衝突事故が起きていて、9日には、北海道白老町でも、シカがきっかけの事故があり、車が炎上しました。
北海道では、自動車とシカの衝突事故が急増。この5年は毎年増え続け、去年は4009件で5年前の2倍です。
北海道大学文学研究院・立澤史郎助教:「日本中で野生動物、特にシカと接触事故が増えている。(原因は)やはり一つはコロナ禍で、もう一つはロシアによるウクライナ侵攻」
日本中で増えているというシカとの接触事故。その背景にあるというシカの増加に“コロナ禍”や“ウクライナ侵攻”が影響しているというのです。
シカによる事故は、車だけではありません…。
JR北海道によりますと、シカと列車の衝突件数は去年度2632件と過去最大に。今年度も去年度を上回るペースとなっています。
シカの生態を研究している北海道大学大学院の立澤助教は、こう指摘します
北海道大学文学研究院・澤史郎助教:「人の住処とシカの住処が直接接触するような背景がある。コロナ禍で人間の活動性が非常に下がったということがある。人がうろうろしない。人間の活動性が下がったことで(シカが)もともと自分たちの生息地だと考えている場所にはどんどん戻ってきているという状況」
コロナ禍で人々が外出を控え、シカが人間をあまり見かけなくなったことで、人間の開発により追い出された場所に戻ってきたというのです。
北海道猟友会の人もコロナの影響はあるのではないかと話します。
北海道猟友会厚岸支部事務局・根布谷昌男さん(69):「本州の方からわざわざ北海道に猟をやりに来る人が極端に少なかった。ここ2年くらい。いまも、狩猟時期なんですけれども、その狩猟でとられる数が極端に低い。シカが増えているような気がする」
そして、最近、気になることがあるといいます。
銃の弾不足が起きているというのです。
北海道猟友会厚岸支部事務局・根布谷昌男さん(69):「鉄砲屋さんに行って、火薬を扱っているところに注文しても『ありません』って言われる。在庫が」
その背景にあるというのが…。
北海道大学文学研究院・澤史郎助教:「(弾が不足している背景は?)基本的には2つあると思う。1つはコロナ禍でいろいろな生産活動が低調化しているということ。もう一つはロシアによるウクライナ侵攻の影響を受けて、おそらくこれは弾の材料ということではなく、それを作る過程で必要な燃料とか、そういうことも含めて生産過程に非常にブレーキがかかっていることもあると思う」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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