大阪万博「円安」で建設費“膨張” 11月2日を境に円高に?なぜ?専門家解説(2022年10月26日)

大阪万博「円安」で建設費“膨張” 11月2日を境に円高に?なぜ?専門家解説(2022年10月26日)

大阪万博「円安」で建設費“膨張” 11月2日を境に円高に?なぜ?専門家解説(2022年10月26日)

2025年の『大阪・関西万博』開催に向けた、初の国際会議が25日から開かれています。26日は、万博に参加する各国の代表らが会場となる大阪市の夢洲を視察しました。

来年度には工事が本格化するのですが、円安の影響もあって、建設資材の高騰が止まりません。
博覧会国際事務局のディミトリ・ケルケンツェス事務局長:「価格高騰については、ご指摘の通り、我々が各国の参加者に強調したのは、時間がないこと。コストを抑えるためには、いますぐ作業を始めることだ」

複雑な屋根が特徴的な『大阪ヘルスケアパビリオン』もイメージ通りとはいかないかもしれません。大阪府と市で建設費を半分ずつ負担して、当初、約70億円を上限としていましたが、26日、1.5倍以上に膨らんだ111億円の予算案が府議会で可決されました。

さらに、会場全体の建設費も膨らむ懸念があります。こちらも当初の1.5倍、1850億円にまで増えています。ただ、この額が示されたのは、おととし12月。当時は1ドル=103~104円ほどで、いまほどの円安は、想定になかったはずです。
松野官房長官:「万博会場の建設費については、工事の進捗管理をしっかり行い、費用の低減、効率的な執行に努め、引き続き、1850億円に収まるよう、全力を尽くしてまいりたい」

出口が見えない状況が続く円安。先月、政府は“円買い・ドル売り”の為替介入を行いましたが、その後も、円安に歯止めはかかりませんでした。

ただ、21日からの動きを見ますと、円安の動きが鈍っているようにもみえます。政府が再び為替介入したとみられることが、要因としてありますが、実は、もう一つ、市場では、これ以上に大きな要因とされることがありました。それが先週末、アメリカメディアが報じた“観測記事”です。記事によりますと、「FRBが12月の利上げ幅を0.5%にする可能性がある」といいます。

アメリカの中央銀行にあたるFRBは、急激なインフレを抑えるため、政策金利を0.75%引き上げる対応を続けてきました。金利を上げると、お金が借りにくくなるなどして、消費が冷え込み、物価を下げようという狙いで実施してきました。それが12月の利上げ幅を0.5%に縮小するかもしれないという観測が出たことで、ドルを売る動きが進んだとみられています。

経済アナリストの豊島逸夫さんは、「通常の利上げは0.25%ずつ、0.75%ペースは劇薬レベルで、“景気後退”という副作用のリスクも。最近の経済指標は市場の予測を下回り、市場関係者の間では『利上げペースを落とさないと不況に陥る』という危機感もある」といいます。

いまの円安について、豊島さんは「11月2日に開かれるFRBの会合で、今後の利上げ幅の縮小が示唆されば、アメリカの利上げが頭打ちになると市場は受け止める。この日を境に、円高に振れる可能性がある。ただ、日本とアメリカの金利差が縮まるわけではないので、すぐに1ドル=120~130円台に戻らないだろう」と話します。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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