【家計防衛術】円安で“逆転現象”肉・野菜も国産お得?「外貨預金」金利4%に契約急増(2022年10月26日)
円安の影響でスーパーではある逆転現象が起きているんです。こうした状況を打開するためのキーワード、ドルで稼ぐ。一体どういうことなんでしょうか。専門家とともに深掘りしていきます。
埼玉県熊谷市にあるレストラン。客が今は高いと話すメニューがあります。
利用客:「だいぶ高くなっている」「円安が進んでいるので、やめておこうかなと…」
それが10ドルステーキです。
こちらのお店では、およそ20年前から価格が変わるのを楽しんでもらおうと、アンガスビーフのステーキ200グラムを10ドルで提供。
ただ、26日は1ドル=148円。値段は1620円です。
レストラン高原・梶敬社長:「3年くらい前だと月に1000から900枚くらい出ていた。先月で400枚くらいしか出ていないので今月はもっと下がると思う。客は『円安になって利益が出るんだろ?』と言うが枚数が全然出ないのでほとんど利益にならない」
都内のスーパーでは驚きの現象が起きています。
アキダイ・秋葉弘道社長:「逆転現象。目方はほぼ同じだが国産の方が安い状態」
止まらない円安の流れ。
東京都・練馬区のスーパーでは、外国産の値上がりで国産のほうが安くなる逆転現象が起きています。
アキダイ・秋葉弘道社長:「アメリカンビーフと国産牛、ほぼ同じ目方だが国産の方が安い状態。為替の影響も受けて輸入物の仕入れ価格が高騰している」
例えば、牛肉の切り落とし。国産は100グラムあたり193円、アメリカ産は100グラムあたり214円と、国産のほうが安くなっているといいます。
アキダイ・秋葉弘道社長:「基本的に輸入物は価格帯の魅力が大きかった。国産と輸入の場合、同じ価格帯なら国産を買う人が多い。今は国産のお肉を食べた方がお得だなという感じ」
客:「今までは国産だと他のより一段と高いイメージだったが、最近はそこまで差を感じない」「焼肉用の牛肉で米産と書いてあったが、思ったより高くて国産を買ったことがある」
他にも、オクラなどの野菜やレモンなどの果物も逆転現象が起きているそうです。
アキダイ・秋葉弘道社長:「やはり、とても珍しい。私も長年この業界にいて、こういうふうな仕入れのバランスは初めて」
価値観を変えるほどの歴史的な円安。一体どのように乗り切ればいいのでしょうか。専門家に話を聞きました。
経済評論家・加谷珪一氏:「円が安くなっていることは海外のものが高くなっている。海外で稼ぐ方が有利ということになる。海外で稼いで国内で使うという流れができると一番メリットを享受しやすい」
急激な円安が進んでいる今だからこそ、海外で稼ぐことがピンチをチャンスに変える方法だといいます。
経済評論家・加谷珪一氏:「それは直接、海外に行くことを意味しているわけではない。日本に居ながら海外と取引をする、日本に住んだままで日本脱出をすることができると、よりハードルが低くなるのではないか」
技術の進歩によって、日本に居ながら海外で稼ぐということが誰でもできる時代です。
そんなサービスが今、注目を集めています。
こちらの銀行では、外貨預金を申し込む人が急増。去年と比べ、8倍になっているといいます。
新生銀行・銀座フィナンシャルセンター、矢嶋図南さん:「入行以来なかなかなかったので私も非常に驚いている。円安によって、モノの価格が高くなっているが、物価上昇にお金が負けないようにするという思惑から、外貨に資金を振り替える客が多いのかなと」
外貨預金がどのように日本に居ながら海外で稼ぐにつながるのでしょうか。
新生銀行・銀座フィナンシャルセンター、矢嶋図南さん:「円に比べ、高い金利が得られる。当行の米ドルの1年もの定期預金なら年率4%で提供している。(円の場合は)一般的な大口定期でも0.01%など、まだ小数点が付くので、外貨のほうに客の目線がいく状況なのかなと思う」
つまり、利息によって外貨が稼げるのです。
100万円を日本の銀行に預けても、1年で100円しか利息はもらえません。これが、金利4%のアメリカの銀行の場合は、手数料を差し引いてもおよそ3万円の利息が付くのです。
その利息は、アメリカドルで積み上がっていくことになります。
経済評論家・加谷珪一氏:「外貨の預金や外国株への投資は、以前は非常にハードルの高いものだったが、最近は銀行ですとか証券会社、ほとんどがネットに対応している。ほぼクリック1つ2つで、外貨への預金や投資というものが実行できますので。外国に対して投資をするということですから当然、為替が変動するリスクや手数料の問題がありますから、あくまでも余裕資金の範囲でやることが原則になります」
外貨預金だけではありません。
日本に居ながら海外で稼げるオークションサイトも今年に入り、業績を伸ばしているといいます。
イーベイ・ジャパン、市田良介氏:「去年12月と今年9月を対比すると1.3倍ほど販売者の数が伸びている。今年に関しては円安の影響で9月の伸び率がかなり高い状況」
オークションサイト「eBay」は日本からも国内のサイトと同じような手順で出品することが可能で、世界190カ国の人と取引することができます。
円安が進むなか、海外を相手に商品を販売することで日本の出品者には大きなメリットがあるのです。
イーベイ・ジャパン、市田良介氏:「基本的にドルでお支払い頂くので、円安の状況なのでドルで入ってくることによって為替の円安の状況を受け、日本円だとたくさん入ってくる」
10ドルの商品が売れたとき、今年1月のレートだと1150円でしたが、それが1ドル=150円になると1500円で売れることになります。
さらに、日本の商品が世界から注目されている理由がありました。
イーベイ・ジャパン、市田良介氏:「特に日本から売れているものは日本のカルチャー商材。トレーディングカード、ゲーム、アニメ。そういう日本のカルチャー商材は人気が高い。円安の状況もあるので国内より高値で販売されている商材もたくさんある」
昔のゲームや日本製のカメラなども、海外の人からみるとなかなか手に入らず高値で取引されている状況だといいます。
経済評論家・加谷珪一氏:「まだまだ海外のフリマやオークションに出品されるのは少数派。これから円安が本格的に進んでくると、海外の方がたくさん売れるということを多くの人が知るようになってくると、数も増えてくるのでは」 (C) CABLE NEWS NETWORK 2022
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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