【独自】ハマグリ高騰で“秋でも密漁” 異例の取り締まり…「足の運動」謎の言い訳も(2022年10月26日)

【独自】ハマグリ高騰で“秋でも密漁” 異例の取り締まり…「足の運動」謎の言い訳も(2022年10月26日)

【独自】ハマグリ高騰で“秋でも密漁” 異例の取り締まり…「足の運動」謎の言い訳も(2022年10月26日)

 茨城県の海岸でハマグリの密漁が相次いでいます。ハマグリの旬は春ですが、なぜか今、密漁が横行しています。その理由は、例年にはない秋にかけての価格の高騰とみられています。

■“禁止エリア”で捕獲…網の中に“大量ハマグリ”

 茨城県大洗町の海岸です。サーフィンを楽しむ人でにぎわう一方、ビーチで目立っていたのは、不審な動きをする人たちです。

 カゴを片手に歩く人や、熊手で掘り起こす人。よく見ると、パンパンになった網の中に、大量のハマグリがあります。これらはすべて密漁です。

 ここ大洗町は、ハマグリの潮干狩りスポットとして知られていますが、資源保護のため、エリアは一部に限られています。

 ハマグリの旬は春。4月にも、この海岸で密漁を取材していました。

 禁止エリアでハマグリを捕獲:「せっかく、冷たい思いして採っているんだもん、返さないよ」

■“秋でも密漁”なくならない理由「値段上昇」

 あれから半年。旬を過ぎても、被害は続いています。3日前の23日、大洗の海岸を訪れると、干潮を迎える午前8時ごろには多くの密漁者がいました。

 禁止エリアにもかかわらず、人目を気にせず、ハマグリを採り続ける人々。なぜ肌寒くなったこの時期に、ハマグリの密漁をするのでしょうか?そこには、“秋ならでは”の理由があるといいます。

 東海大学海洋学部・山田吉彦教授:「特に冬になると、鍋の具材としてのハマグリの人気が出てきます。その分、需要が増えてくると。プロの密漁者は販売ルートも持っていて、高額で取引をしているということが言われています」

 ハマグリの1キロあたりの取引価格は、4月から7月にかけて200円ほど下がりましたが、秋にかけて上昇し、先月には今年最高値の1キロあたり1673円となりました。これが、この時期も密漁がなくならない理由だといいます。

 禁止エリアで、ハマグリを運んでいた男性に話を聞こうとしましたが…。

 禁止エリアでハマグリを捕獲:「(Q.密漁になるんですけど?)……」「(Q.きょう採ったハマグリはどうする?)……」

 中には、開き直る人もいました。

 禁止エリアでハマグリを捕獲:「(Q.ダメなことだと知っていますか?)ダメだよ。これ(道具)はダメなんだ。あと3センチ以下(のハマグリ)はダメなんだ」

 大洗のビーチでは、潮干狩りの許可エリア内であっても、金網などが付いた道具の使用は禁止されています。男性は禁止エリアで、禁止された道具まで使用していました。

■“密漁”摘発件数95件 去年1年間の4倍以上

 こうした事態を受けて、茨城海上保安部などは今月、異例の“取り締まり強化”に踏み切りました。

 茨城海上保安部 警備救難課長・佐々木祥氏:「今までは大洗に遊びに来て、ついでにハマグリを採ってしまう方が結構いらっしゃったんですけど。これからは、ハマグリを密漁するためだけ(に来る)方がほとんどなので。それに的確に対応していくために、この時期に(取り締まりを)やっていこうと」

 ルールを守らずに貝類を採取した場合、「茨城県漁業調整規則違反」などの罰則が付きます。今年の摘発件数は、24日の時点で95件。すでに去年1年間の4倍以上に上ります。

■密漁は「足のリハビリ」…悪びれず言い訳

 後を絶たないハマグリの密漁。禁止行為と知りながらハマグリを採っているという女性が、密漁を繰り返す理由を話しました。

 女性:「(Q.ここ採っちゃいけない場所じゃないですか)私は足の運動に来ているのよ。ひざ小僧がダメで、貝を採るとここの筋肉が鍛えられる」

 ハマグリを採るのは悪化するひざの痛みを取るための「足の運動」だと主張します。

 女性:「ここ来るようなったら、ひざが大丈夫なの。だから来るようになったの。私にはリハビリなの。こうやって後ろにずっと下がっていくのね。こうやって交互に。だから、リハビリになる」

 悪びれることなく、言い訳を続けます。

 女性:「必ずここに来た人は、(周辺で)買ってくんですよ、何か。(近くに)めんたいこ店がありますよね。あそこ寄って、いつも運動するとお腹が空くから。(周辺で)食べて必ずめんたいこ買って帰ります」

 「買い物をするから」いいだろうと結局、女性はハマグリを海に返しませんでした。

 専門家によると、秋はハマグリの産卵期のため、このタイミングで乱獲されると今後、大きな影響が出ると指摘します。

 山田教授:「産卵後の稚貝まで採ってしまうと、来年、育っていくハマグリまで、今の時期に採られてしまう。特に、この秋に採ってしまうと、来年以降、数年にわたってハマグリがいないという状況に陥ってしまう」

(「グッド!モーニング」2022年10月26日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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