英新首相にスナク氏 “初のアジア系”42歳の素顔…名門大卒＆金融大手出身 妻は富豪(2022年10月25日)
就任からわずか1カ月半で辞任を表明したイギリスのトラス首相の後任に、42歳のスナク氏が選ばれました。どんな人物なのでしょうか？
■“初のアジア系”42歳の素顔は？
歓声に出迎えられ、党本部に現れたスナク元財務相。イギリス史上初のアジア系首相が誕生します。
保守党 新党首・スナク元財務相：「国会議員の仲間たちの支持を得て、保守統一党の党首に選ばれたことを謙虚に受け止め、光栄に思っています」
相次ぐ不祥事を受け、先月に辞任したばかりのジョンソン元首相は立候補せず、立候補を表明していたモーダント元国防相は100人の推薦を集めきれず、スナク元財務相は無投票で当選となりました。
1980年、リシ・スナク氏は、アフリカから移住したインド系移民である医師の父と薬剤師の母のもと、イギリスで生まれました。
スナク元財務相：「家族は私のすべてです。私の家族は、彼らが夢に見ることしかできなかった機会を、私に与えてくれました」
スナク氏は、イギリスの名門ウィンチェスター・カレッジを経て、オックスフォード大学へ進学。さらに、アメリカのスタンフォード大学大学院へと進んでMBAを取得しました。
金融大手のゴールドマン・サックスなどで働き、自ら投資会社を共同設立するなど、金融マンとして実績を残してきました。
■ジョンソン政権で“内閣ナンバー2”
政治の世界に飛び込んだのは2015年。35歳で保守党から下院議員に立候補し、初当選を果たします。
スナク元財務相：「私が政治の世界に足を踏み入れたのは、この国のすべての人に、同じチャンスを手にしてほしいからです。自分の子どもたちに、より良い未来を与えられるようになってほしいからです」
そして、おととし2月、ジョンソン政権のもと、39歳の若さで内閣ナンバー2とされる財務相に抜擢（ばってき）されます。
会見や各地の視察でも、当時のジョンソン首相の傍らで存在感を発揮し、コロナ禍で経済復興を主導して、再生の象徴的な存在となりました。
一方で、ぼさぼさの金髪がトレードマークだったジョンソン首相とは対照的に、髪を整え、高級なスーツを着こなし、工事現場の視察におよそ8万円の靴。時に、スナク氏の“金持ちぶり”は批判の的になったこともありました。
■“資産1200億円”妻に批判も…
スナク財務相（当時）：「私の妻の家族は、南インド出身です」
スナク氏の妻は、インドのITサービス大手「インフォシス」の共同創業者の娘で、株式のおよそ0.93％を保有している、いわゆる“富豪”です。
妻の財産と自身の投資家として成した財は、合わせて1230億円余り。これは、イギリスのチャールズ国王の財産（約740億円）よりも高く、今年のイギリスの長者番付の222位にランクインしています。
しかし、その妻がイギリスで非定住者として登録しているため、海外収入について納税を免除されていた問題で批判を浴びました。
■ジョンソン前首相を“裏切り”
また、おととし、新型コロナ対策でロックダウン中に、ジョンソン首相の誕生パーティーに出席し、罰金処分を受けました。
このロックダウン中のパーティーを皮切りに、政権内で不祥事が相次ぎ、スナク氏はジョンソン氏の政権運営に抗議する形で辞任しました。
これが今年7月のジョンソン氏退陣のきっかけとなり、一部のジョンソン氏支持者から「裏切り者」と批判を受けています。
スナク元財務相：「イギリスは偉大な国ですが、深刻な経済的課題に直面していることに疑いの余地はありません。私たちは今、安定と結束を必要としています」
（「グッド！モーニング」2022年10月25日放送分より）
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