おばあちゃんを笑顔に…そして人生の最後の時間に寄り添う「介護美容」とは(2022年10月22日)
新型コロナや円安など、先の見えない時代を生きる私たちの、「幸せ」について考えます。IT企業を辞め、介護施設で“ある仕事”を始めた女性。高齢者を笑顔に運ぶ、その仕事とは。
■おばあちゃんたちを綺麗に…介護美容とは?
箱石志保(はこいし・しほ)さんは、ケアビューティスト。
介護施設をまわり、普段はあまりお化粧をしない高齢者にメイクやネイルなどを施す介護美容の専門家です。
箱石さん)どんなお化粧が良いとかありますか?
利用者の女性)私、一生に1回だけでいいから青いものとか赤いものとかつけてみたかったわって言ったの。
というやりとりや
利用者の女性)しわが出るの
箱石さん)それが生きてきた証というか
利用者の女性)それは勲章ですよ、確かにね
箱石さん)そういう言い方にしましょう
まるで魔法のように、次々と笑顔がうまれていきます
利用者の女性は
「考えられないね、90にもなって。こういうおしゃれが出来るって」
箱石さんも
「すごく楽しかった。みなさん喜んでくれるのが、やっているときから分かりましたし。自分が元気をもらっているというのもあります」
■大手企業からの転職。そのきっかけになったのは、祖父母への“想い”
都内で夫と愛犬と暮らす箱石さん。大学院卒業後、大手IT企業に就職。管理職候補として働く中、自分でビジネスがしたいという思いがあり、新たな仕事を目指すことに。
転職のきっかけとなったのは、祖父母の介護。子供のころ、仕事で忙しい母に代わり、祖父母に育てられて、祖父母の介護を通じて、プラスアルファなにか出来ることは無いかという事で、介護美容というワードにたどり着つきました。
新たな世界に飛び込んだ箱石さん、コロナ禍が不安をかきたてたといいます。
箱石さん「一番怖かったのは金銭面。稼げるとかやっぱり怖かった」
箱石さんの母も「最初は反対しました。大学院まで出て、ある程度の会社に就職したのに何で?というのがすごく大きかった。でも、自分の人生だからってと思って、そこからは応援し始めました」
■人生の最後にも
どうしても施術をして欲しいとある家族から頼まれていたある利用者がいました。末期がんで看取りの時を迎えつつある女性。箱石さんは、気持ちを込めて足や手をもみほぐします。
箱石さん「ご家族のご意向で、少しでも最後楽にしてあげたりとか、気持ち良い思いをしてもらいたいという方もいらっしゃるので。出来るだけのことをしています」
この夜、女性は亡くなった。
箱石さん「きっとこの仕事じゃなかったらこの人に関わることがなかったんだろうなって人がいっぱいいらっしゃるので、その方の人生の中に私が最後に少しでも入っていけたのがよかったな。」
箱石さんは今、この仕事に人生の幸せを見出しています。
「やっぱり施術してみなさんが笑顔になったときですとか、前向きな気持ちに/なってくれるのがすごく私は嬉しいですし、その瞬間が幸せだなって思いますね。」
サタデーステーション 10月22日OA
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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