【円続落】「ニシキゴイ」に外国人バイヤー殺到 値上げ影響で死活問題の店も(2022年10月21日)

【円続落】「ニシキゴイ」に外国人バイヤー殺到 値上げ影響で死活問題の店も(2022年10月21日)

【円続落】「ニシキゴイ」に外国人バイヤー殺到 値上げ影響で死活問題の店も(2022年10月21日)

 1ドル=150円台に下落し、1990年以来の安値を更新した円相場。この安い円を追い風に外国人観光客だけではなく、日本伝統のあるものを求めて外国人バイヤーが続々と来日しています。

 池の中から現れたのは「泳ぐ宝石」ともいわれる「ニシキゴイ」です。外国人も一緒になってすくい上げています。

 新潟県のコイを養殖する業者は、水際対策の大幅緩和を受けて2年ぶりに外国人バイヤーの受け入れを再開したのです。

 イギリス人、コイ雑誌の記者:「長い間、来られなかったから、この時が待ちきれなかった」

 オランダ人愛好家:「(Q.ニシキゴイ好き?)とてもね。家の新しく作った池で飼って、コイの品評会に出す予定」

 欧米で大規模な品評会が開かれるなど、近年ニシキゴイは観賞用として世界的な人気となっているのです。

 さらに、外国人バイヤーを後押ししているのが。

 オランダ人バイヤー:「以前より安く、たくさん買えるようになった」

 止まらない円安です。今年初めは1ドル115円でしたが、10カ月で35円以上、下落。21日も32年ぶりの円安水準を更新し、一時1ドル150円20銭台にまで値下がりしています。

 高いものだと1匹100万円もするというニシキゴイ。これを今年1月に買おうとするとおよそ8700ドル必要でした。それが今のレートでは2000ドル以上お得に買うことができるのです。

 オランダ人バイヤー:「円安は、日本人の皆さんには申し訳ないけど、私たちは幸せです」

 外国人バイヤーにとっては、大きな追い風となっている円安。しかし、私たちの生活を圧迫している大きな原因にもなっています。

 商店街を取材すると、至るところに円安の影がありました。

 ピエロ・辰野信英社長:「(Q.円安の影響は?)円安ね(影響を)受けていますよ。今は、イチゴが時期じゃないから、アメリカ産のイチゴを使ているけど…。15個で810円、とてもじゃないですが高いですね。去年だと600円しなかったのでは。どんどん高くなって、ひどいものですよね。他にもたくさんありますよ」

 クレープ生地をつくる小麦粉においしく焼き上げるためのサラダ油まで、多くのものが円安による値上げの影響を受けています。さらに、300種類あるというメニューにも気苦労があるそうで。

 ピエロ・辰野信英社長:「(価格の)上げ方が一回ではない。ドンドン…と上がるから困る。うちは、クレープが300種類、自分で手書きをしてる。これを一つずつ直すの大変。ちょっと上げるとまた上げて、10円、20円、30円と」「(Q.その都度ですもんね?)一気に上げると、お客さんびっくりするから。おかしくなりそう」

 油の値上げは、とんかつ店でも死活問題です。

 銀扇・大野隆信社長:「油の値段が散々、上がっているなかで、この先どれだけ上がるのかが怖い」

 「銀扇」では、国産の豚肉を使っているといいますが、大きな懸念もあるそうです。

 銀扇・大野隆信社長:「輸入の肉の価格が上がるので、結局、値段が国産と変わらなくなる。そうすると、国産の需要が増えて、うちで使っているブランド豚も全体的に値上がりしている」

 円安の影響を受けているのは、食べ物だけではありません。

 プチエトワールたつの・辰野栄治社長:「仕入れ値がみんな上がって、厳しいですね。輸送費とか…仕入れ値が問屋さんも『申し訳ない、とてもじゃないけど(仕入れ値を)上げさせてもらいます』と連絡来た」

 値上げの原因は、円安による輸送費の高騰だといいます。

 プチエトワールたつの・辰野栄治社長:「この辺も、この辺も(値段が)上がっています。これでもかなり厳しく安くしているが、前は2000円以下ですよね」「(500円くらい値上がり?)そうですね」

 さらに、円安の波は文房具店にも押し寄せていました。

 竹屋文房具店・岡田利子さん:「ここら辺にあるファイル類なんかが、やっぱりメーカー問わず、こういうようなプラスチックでできていて、ここがこういう塩ビみたいなものでできていますよね。品物自体、工場が海外にあってそこで作っていて、日本のメーカーなんですけど、それで結構どのメーカーも上がってる」

 ファイルだけではなく、接着剤やのりなど8割以上の商品が値上がりしているといいます。

 竹屋文房具店・岡田利子さん:「文房具というと、お子さんなんかが使うのが多いですから、お子さんたちが前の値段のつもりで来て(価格が)上がっていると、ちょっとかわいそうだなって思いますよね」

 円安はいつまで続くのでしょうか。専門家に話を聞きました。

 外為どっとコム総研・神田卓也調査部長:「過去2カ月程度で、1ドル140円から150円まで、ドル高円安が進んだということを考えると、あと年内、残り2カ月あまり。このなかで、1ドル160円というのにも十分、射程圏内ということが言えると思います」

 年内に1ドル160円台に突入してもおかしくない状況。そうなると、生活への影響も長引くと指摘しています。

 外為どっとコム総研・神田卓也調査部長:「輸入物価の上昇、特にエネルギー価格の上昇と円安で、市民生活を直接的に圧迫してしまう可能性が高い。あるいは、日本から海外へ年末年始に海外旅行に行こうとしても、円安のせいでと言うべきかは分からないが、グレードを落とさざるを得ない」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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