「自由にものを言える空気が…」習氏の独裁色は強くなる?厳戒の北京から記者解説(2022年10月14日)
『中国共産党大会』が16日に開幕します。
◆北京から冨坂範明中国総局長の報告です。
(Q.現地の様子は、どうでしょうか)
党大会を取材する記者たちが集められているホテルにいます。過剰ともいえるゼロコロナ政策。重要会議である党大会を前に、ますます厳しさを増しています。我々が党大会を取材するのは2日後ですが、この時点で、すでにホテルの敷地から出ることができません。ホテルには、習主席の言葉を各国の言葉に翻訳した本が並んでいます。本を通じ、各国の記者たちに自らの思想を宣伝するという思惑も見て取れます。
(Q.習近平氏の3期目が確実とみられていますが、国民の本音はどうなのでしょうか)
私が、前回、中国に赴任したのは、習氏が権力を掌握した10年前です。そのころと比べると、確かに経済は、良くなりました。中国の人は直接、参政権があるわけではないので、自分の生活に迷惑が掛からなければ、基本的には、誰が政権を担当してもいいと考えている人も多いです。習氏が3期目に突入することに関しては、別にいいのではないかという声が多くあります。ただ、ゼロコロナ政策のように、自分たちの生活に直結する問題に関しては、非常に敏感で、そういった問題への対応を誤ると、支持が一気に崩れてしまう可能性もないわけではないと思います。
(Q.権力がさらに習近平氏に集中していくことになっていくのでしょうか)
今回、党大会では、7人の最高指導部の人事を複数入れ替えるとみられますが、後継者に関しては、はっきりと明示しないとみられます。それは、自らの求心力が衰えることを気にしているからだと思います。さらに、党規約を改正して、自らの地位と権力を集中させる動きもみられます。ますます、習氏の権力基盤の強化が進んでいくと思います。私が赴任したころに比べると、経済は良くなっていますが、当時、まだ残っていた自由にものを言える空気が、最近、減ってきているのを実感します。強大な権力者が判断を誤ったときに、文化大革命のような悲劇が起こってしまうのではないかと、危惧している中国の知識人もいます。
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