【波紋】“スカーフデモ”で?イランで16歳少女死亡 「治安当局に殺された」母親訴え(2022年10月13日)

【波紋】“スカーフデモ”で?イランで16歳少女死亡 「治安当局に殺された」母親訴え(2022年10月13日)

【波紋】“スカーフデモ”で?イランで16歳少女死亡 「治安当局に殺された」母親訴え(2022年10月13日)

 イランで激化する、スカーフデモ。抗議デモに参加した後、16歳の少女が遺体で見つかった事件がさらなる波紋を広げています。当局が、少女の死とデモは無関係だと主張する一方、母親は、政府の説明は嘘であると訴えました。

 「女性・命・自由」を唱える大学生たち。抗議のために作ったのはペルシャ語で、「血」という文字です。

 CNNによりますと、イラン政府はデモに参加する学生を精神衛生施設に連れていき、再教育しているといいます。

 その「再教育センター」に風紀警察に連れていかれて死亡したという22歳の女性。逮捕の理由は、頭髪を覆うスカーフ「ヒジャブ」を適切に着用していないということでした。そして、これをきっかけにデモは始まったのです。

 厳しい取り締まりで、多くの人が逮捕され、どこに連れていかれたかも分からない状態だと、CNNはデモ参加者の言葉を伝えています。

 そんななか、抗議デモに参加し「ヒジャブ」を燃やす様子をインスタグラムに投稿した少女が、遺体で発見されました。ニカ・シャクラミさん、16歳でした。

 シャクラミさんの母親は、娘はデモに参加したため、治安当局に殺されたと訴えます。

 亡くなったニカ・シャクラミさんの母:「私が娘と電話している時、娘と娘の友達が叫んだり、治安当局と話をしている声が聞こえました。まるで娘たちは逃げているようでした。その時に娘の電話が切れたんです」

 懸命に娘を捜す母親が、彼女の行方を知ったのは10日後のことでした。警察で遺体の写真を見せられ、遺体安置所に引き渡されたと告げられたのです。

 当局の説明では、シャクラミさんは、建物の屋上から転落して亡くなったということでした。骨盤や手足に複数の骨折があったことから転落死と判断したといいます。

 しかし、母親は遺体の傷は頭部にしかなかったと話します。

 亡くなったニカ・シャクラミさんの母:「娘は抗議デモをしていて、行方不明となったその当日に殺されました。娘の遺体は同じ日に遺体安置所に引き渡されたんです。検視官の書類にはこう書いてありました、『娘さんは何か硬いもので頭部を何度も殴られて、当日に亡くなられた』と。私自身が遺体を見ました。頭と顔のほかに傷はありませんでした」

 しかし、こう主張しても、証拠となるシャクラミさんの遺体は、何者かによって盗まれ、厳重な警備のもと人里離れた村に埋葬されてしまったといいます。

 亡くなったニカ・シャクラミさんの母:「娘の頬骨など、顔は骨折し歯は折れていました。後頭部には強く殴られた痕があったんです。頭蓋骨は変形していました」

 さらに、火消しを行う当局は、シャクラミさんの伯父と叔母にテレビで嘘の証言を強要したというのです。

 イランの国営テレビのインタビューに対し、叔母はシャクラミさんは「建物から転落して死亡した」と答え、伯父は抗議デモを非難したといいます。

 AP:「シャクラミさんの母親は、自分の兄弟たち(伯父と叔母)は公式発表に沿った発言をするように圧力を掛けられたのだと語った。イランは強制された自白を放送するという長い歴史を持っている」

 人権団体によりますと、一連のデモで、12日までに少なくとも201人のデモ参加者が殺害されたといいます。 
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事