「わざわざ負けてる戦争に参加する?」ウクライナ侵攻“ベラルーシ参戦”に疑問も(2022年10月11日)

「わざわざ負けてる戦争に参加する?」ウクライナ侵攻“ベラルーシ参戦”に疑問も(2022年10月11日)

「わざわざ負けてる戦争に参加する?」ウクライナ侵攻“ベラルーシ参戦”に疑問も(2022年10月11日)

 ウクライナへのミサイル攻撃による死者は19人。けが人は105人に上っています。こうしたなか、不穏な動きが。ベラルーシのルカシェンコ大統領がロシア軍との合同部隊をウクライナ周辺に配置することに同意しました。この2人のタッグ、戦争のさらなる泥沼化を意味するのでしょうか。

 ロシア、プーチン大統領:「キーウ政権は、己の行動によって国際テロ組織と同等に成り下がった。このような犯罪行為を放っておくことはできない」

 クリミア大橋の爆発の「報復」として、ウクライナ全土への攻撃を行ったと語るプーチン大統領。

 ネット配信中の女性:「ミサイルが飛んでいるところを見て今、手が震えています…。爆発音が聞こえた…。ママ!」

 朝の通勤時間帯を狙われたロシアからの攻撃。首都キーウでは、燃え上がる炎に隊員が決死の消火活動…。

 地下に避難した市民は、気を紛らわせるためかウクライナの伝統民謡を合唱していました。

 ウクライナ全土に及んだロシアの攻撃。ドニプロでは、ドライブレコーダーの映像で、正面で起こった大爆発。振ってきた破片が、車に当たる音も聞こえます。

 爆撃後に停電が発生したリビウ。送電施設が狙われたのでしょうか。鉄塔の後ろには黒煙が上がっています。

 インフラの攻撃に、政府は節電の呼び掛けも…。

 ウクライナ大統領府、キリーロ・ティモシェンコ副所長:「家で明かりをつけたり、アイロンをかけたりはきょうはなしでいきましょう!午後5時から電気の使用を最小限にしましょう!」

 そんななか、隣国ベラルーシで不穏な動きが…。

 ベラルーシ、ルカシェンコ大統領:「ウクライナで『ベラルーシ領土への攻撃』が議論されているだけでなく、計画されている」

 ベラルーシの国営通信によると、ベラルーシのルカシェンコ大統領が10日、ウクライナ側の脅威に対抗するためロシアと地域的な合同部隊をウクライナ周辺に配置することに同意したと発表。

 ただし、ウクライナがベラルーシ領土の攻撃を計画しているという証拠は示していません。

 戦争が、さらにエスカレートしていくことになるのでしょうか。専門家は。

 防衛省防衛研究所・高橋杉雄氏:「発表を見る限り『合同部隊』ということで、これが何を意味するかはよく分からない。ベラルーシ軍が戦線に参加するかは今の情報では分からない。(ロシアが)劣勢のなかでベラルーシ軍がわざわざ負けている戦争に参加するとは思わない」

 ルカシェンコ大統領自身が「戦闘に参加する」とは言っていないこともあり、合同部隊を作ることは区別して考える必要があるといいます。

 ただし、戦争がエスカレートする可能性は他にも…。

 ドイツ外務省によると、10日の攻撃でキーウ市内のドイツ大使館の関連施設が入る高層ビルも被害を受けたと言います。

 果たして、ロシア側が支援国の施設を狙って攻撃することはあるのでしょうか。

 防衛省防衛研究所・高橋杉雄氏:「『欧米からの武器の供与』に対して非常に不快感を持っている訳で、それを阻止する、それに対する不快感を伝えるメッセージとして大使館ではなく「領事館」を選ぶということは論理的にはありえます。ただ、これまでもロシア側の兵器がそれほどピンポイントで命中していないという問題があるなかで、本当に領事館のあるビルをピンポイントで狙ってそこに当てられたのかどうかということについては、確信は持てませんね」

 ホワイトハウスによると、バイデン大統領はゼレンスキー大統領と電話会談し、高度な防空システムの提供など軍事支援の継続を約束。

 ドイツ国防省は10日、ウクライナに4基供与する予定の最新の防空システム「IRISーTSLM」のうち、まだドイツ軍すら使用していないという最新鋭の一基を輸送するとSNSに投稿しました。

 さらに、フランス大統領府によるとマクロン大統領も10日、ウクライナのゼレンスキー大統領との電話会談の場で、軍事装備の供与も含めた支援拡大を再確認したということです。

 ウクライナの非常事態省によると、10日の攻撃だけでウクライナ側の被害は死亡19人、負傷者105人。

 高橋さんによると、ロシア側としては最低1週間は攻撃を続けたいはずだそうですが…。

 防衛省防衛研究所・高橋杉雄氏:「問題は『ミサイルの数』がどれくらいあるかでしょうね。今回、ロシアもすでに2500発以上のミサイルを撃っていますから。そのなかで精密誘導可能な兵器は、かなり在庫が厳しいといわれてるなか、かつ『半導体』に関する生産で新しく精密誘導兵器を作るのも難しい状況。きのうの規模の攻撃をどれくらい続けられるか?というのは正直よく分からないんですよ」 (C) CABLE NEWS NETWORK 2022
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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