「すごく頭が良い」17歳少年の素顔・・・東大前刺傷事件(2022年1月17日)

「すごく頭が良い」17歳少年の素顔・・・東大前刺傷事件(2022年1月17日)

「すごく頭が良い」17歳少年の素顔・・・東大前刺傷事件(2022年1月17日)

 東京大学の前で受験生らが切り付けられた事件で、逮捕された17歳の少年を知る人は「すごく頭が良い」と取材で話しました。愛知県内の進学校に通う少年は、なぜ東大に向かったのでしょうか。

■事件前に下見か・・・異様な行動

 事件を受けて、試験二日目の16日、会場の前にはパトカー、さらには警察官の姿も見られます。警戒態勢が敷かれています。

 受験生:「不安はありますね。きのう(15日)の事件を受けて、感化された人が出るんじゃないか。きょうは送ってもらいました。親の車で」

 大学入学共通テストが始まった15日。少年は、走りながら男性を刺し、その後、男女2人の受験生を次々と刺していったということです。

 東大前の路上で殺人未遂の現行犯で逮捕されたのは、愛知県の私立高校に通う17歳の少年です。

 16日、少年の父親は弁護士を通してコメントを発表しました。

 少年の父親:「この度は、世間をお騒がせしまして、誠に申し訳ございません。被害に遭われましたご本人様には、心より申し訳なく、おわび申し上げます」

 名古屋市内の自宅では、警視庁の捜査員が5時間にわたり家宅捜索。この自宅から刃物を3本しのばせ、事件現場へ向かった少年。その足取りも徐々に分かってきました。

 事件前日14日午後11時ごろ、名古屋から高速バスに乗り、当日の午前6時ごろ、東京駅の日本橋口に到着。大手町駅から丸ノ内線で、後楽園駅へ。そこから南北線に乗り換え、東大前駅で降りたとみられています。

 少年は「事件前に現場に行った」という趣旨の話をしていて、警視庁は下見をした可能性があるとみて調べています。

 さらに、少年が瓶などに詰め替えた可燃性の液体、およそ3リットルと着火剤を持っていたことが判明。事件直前には、東京メトロ南北線の車内で、液体が漏れたリュックサックが見つかりました。

 少年の供述:「電車で液体をカバンに染み込ませて、カバンごと燃やそうとしたが、燃えなかった」

■東大志望「自信なくした」

 少年が通う高校は、東京大学や京都大学などに生徒を多数送り込む、愛知県内の超進学校です。

 少年を知る人:「すごく頭が良いと聞いていて。高校でも1位か2位くらいで。東大以上なんじゃないか。すごく頭が良い」

 そんな優秀だったという少年に、何があったのでしょうか。

 少年の供述:「医者になるために、東大に入ることを目指していたが、1年前から成績が振るわなくなり、自信をなくした。勉強が嫌になり、事件を起こして死のうと思った」

 担任教師によると、少年は大変まじめで、勉強に打ち込んでいましたが、成績が伸びないことがプレッシャーになったのではないかということです。

 去年9月の三者面談の時には「進路について迷っている」と話し、また、生徒会長に立候補するも落選していました。

 社会心理学の専門家は、コロナ禍での学校生活が一因となった可能性を指摘します。

 新潟青陵大学・碓井真史教授:「若者は孤独感を持ちやすい。癒やしてくれるのが、スポーツや何気ないおしゃべり。密になってはいけないことが、孤独感を高めていると思う。(コロナ禍で)心も近付いていく機会が次々と奪われているということが、様々な問題を起こしていると思います」

 少年が通う高校も、「生徒の孤立感」についてコメントしました。

 少年が通う高校:「『密』をつくるなという社会風潮のなかで、個々の生徒が分断され、そのなかで孤立感を深めている生徒が存在しているのかもしれません」

 一方、少年に切り付けられた高校3年生の男女の救済措置について末松文科大臣は、「追試の可能性も含め最大限、受験機会の確保をしていきたい」としています。

(「グッド!モーニング」2022年1月17日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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