【現地から報告】明日は我が身…親ロシア派が実効支配するジョージア・南オセチアからみるウクライナ侵攻|TBS NEWS DIG

【現地から報告】明日は我が身…親ロシア派が実効支配するジョージア・南オセチアからみるウクライナ侵攻|TBS NEWS DIG

【現地から報告】明日は我が身…親ロシア派が実効支配するジョージア・南オセチアからみるウクライナ侵攻|TBS NEWS DIG

ロシアによる4州の併合を一方的に進められるウクライナ。同じように「親ロシア派支配地域」との境界に住むジョージアの人たちは、どのような思いでウクライナ侵攻を見ているのか、取材しました。

ロシアに接する国、ジョージア。部分的動員の発表後、多くのロシア人が逃れてきています。その北部にあるのが「南オセチア自治州」で、埼玉県と同じ程度の大きさの親ロシア派支配地域です。

記者
「こちらは、南オセチアとの境界線にあります。あちらに見える家が、まさに南オセチア側の住宅です」

境界にあるジョージア側の村には、警察当局の許可を得て取材に入りました。同行した警察官は、常にライフル銃を携帯。南オセチア側には、ロシア軍が駐留しているためです。

10メートル先が境界となる家に住む女性は、畑のあった裏庭を全て奪われたといいます。

ジョージア側に住む女性
「この土地とここで育てたものしか残っていないんです」

南オセチア紛争は2008年、NATO=北大西洋条約機構へ加盟の動きを見せていたジョージアにロシア軍が軍事侵攻し、南オセチアの独立を一方的に承認したもので、現在のウクライナの状況と重なる部分も多くあります。

別の村では、紛争で12人の犠牲者が出ました。

当時の状況を伝える博物館には、溶けた瓶や焼け跡から見つかったナイフやフォーク。犠牲になったジョージア軍の兵士や野戦病院で治療を受ける住民、家を失って途方にくれる女性の写真もあります。

カスラゼさん(83)は、南オセチアに住む姉と生き別れになり、連絡がとれないままです。

ビキンティア・カスラゼさん
「親しい人と会えないのは辛いです」

ロシアがウクライナ4州を一方的に併合したことには、あきらめにも似た感情があるといいます。

ビキンティア・カスラゼさん
「どうせロシアには勝てません。大国は戦って支配しようとするんです」

こちらの村では、2008年に南オセチアを追われたおよそ150世帯の人たちが、今もジョージア政府から提供された住宅に住んでいます。

マリカ・トリアシュビリさん
「南オセチアを追われる時、涙が止まらず最悪でした。以前の方が良かったわ。ここは小屋だけです。向こうは家も庭も素敵で、良い生活だった」

ロシアに独立承認されてから14年間、そのままの状態が続く南オセチア。トリアシュビリさん(78)は、ウクライナ侵攻の責任はロシアにあるとする一方で、ジョージア側も戦争回避のための努力をもっとすれば、侵攻を防げたかもしれないと考えています。

マリカ・トリアシュビリさん
「ロシアと争ってはいけなかった。話し合えば、なんでもできたのだから」

南オセチアでは、ロシアへの編入の賛否を問う「住民投票」が行われる可能性があり、引き続き、ロシアの動向を注視せざるを得ない不安な日々が続きます。

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