北朝鮮の“核実験”間近か…小型化核兵器の威力とは?(2022年10月8日)

北朝鮮の“核実験”間近か…小型化核兵器の威力とは?(2022年10月8日)

北朝鮮の“核実験”間近か…小型化核兵器の威力とは?(2022年10月8日)

北朝鮮による軍事挑発が続く中、核実験の再開準備も完了しているという情報もあります。一体どんな実験をしようとしているのか、元防衛省・自衛隊の情報分析官の西村金一さんにお聞きします。

■北朝鮮の核実験とは?
高島)
まず、西村さんは北朝鮮が核実験に踏み切ると見ていますか?

西村氏)
可能性は高いと見ています。その理由は、米国の高官が「もう準備はできている」とか、その他の研究所の色んなデータを見ると、もうやるのかなという感じだと思います。

板倉)
核実験が行われるのは、北朝鮮 北東部の豊渓里(プンゲリ)という所で過去6回の実験もここで行われました。そして、先月29日に撮影された実験場の衛星写真を見ると、山に囲まれた場所だというのがわかりますが、アメリカの研究機関によると3番坑道で実験を行うのではないか。とみられていて、この山が小さいことから核爆弾の小型化の実験をするのではないかと言われています。西村さん、そもそも核実験はどうのように行うんですか?

西村氏)
まず、豊渓里(プンゲリ)の実験場の特色としては岩山。この岩山を数百メートル掘っていきますが、実際には曲がりくねっていて、爆風とか放射線を止める構造になっています。それが出来上がると、核爆弾を一番奥に設置して検査用の器具を置き、そこでデータ収集するという形になります。この後、検査官とか軍のVIPが最終的な確認に来ます。その時に核を運ぶ車、人を運ぶ車、検査官を運ぶ車、VIPを運ぶ車、色んな車が来る訳ですが、その車を見る事によって、核実験の直前なのかどうかというのが分かるようになっています。

高島)
曲がりくねった道を作って放射線が出ないようにという事でしたが、この実験で本当に放射能が漏れないんでしょうか?

西村氏)
岩山の壁に爆風と放射線がぶち当たることによって放射線は出にくい。また、ここは岩山でできているので岩が崩れると放射線が出にくいという特色があります。基本的には”出ない”と思っていいと思います。

■核兵器の小型化 目的は?
高島)
北朝鮮は”小型”の核爆弾の開発を進めていると見られていますが、その威力はどの程度のもの?

西村氏)
本当のところは、アメリカ、中国、ロシアが公表していないので正確なところはわからないですが、いろいろな情報で分析すると大都市を破壊する能力はないが、1~数キロの範囲に軍が展開する部隊を殺傷する事はできると見ています。

高島)
柳沢さん、核の”小型化”は新たな脅威になってくるんでしょうか?

柳沢)
大型核爆弾は、実際には使わないが脅しとして使う目的があったが、小型化するということは実際に使う事を前提にして小型化を目指しているということなんですか?

西村氏)
そうです。大型化はICBMに搭載して飛ばす。でもこれを使うと今の国際情勢だと反発が大きすぎて使えない。だから小型化して短距離弾道ミサイルに載せて使うということは、大型よりも”敷居”が低いので使いやすい核兵器ということになります。使うつもりで核実験をやっていると思います。

■核実験再開はいつ?
高島)
核実験をやるとしたら、いつ頃だと見られますか?
西村氏)
中国の共産党大会が今月16日からありますので、この時にやるわけにはいかない。やると中国に怒られるので控えるでしょう。またアメリカの中間選挙が来月7日からあるので中間選挙を妨害する、挑発する意味でその前ということで党大会のあと中間選挙の間でやるだろうと。しかし最終決定者は、金正恩氏なので「やれ」と号令が出ればやる事になるので、いつでもできるということになります。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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