「核威嚇のレベル上げた」ウクライナが防衛線突破“併合強行”ロシアは今…専門家解説(2022年10月5日)

「核威嚇のレベル上げた」ウクライナが防衛線突破“併合強行”ロシアは今…専門家解説(2022年10月5日)

「核威嚇のレベル上げた」ウクライナが防衛線突破“併合強行”ロシアは今…専門家解説(2022年10月5日)

日本時間の5日午後3時36分、ロシアの国営通信社はSNSで、ウクライナから奪った4州の併合に関する法案にプーチン大統領が署名したことを伝えました。

添付された画像には「新しい地域がロシアの一部になります」と書かれています。

ただ、この地図には、一部の地域には斜線が引いてありました。ウクライナ軍の支配下にある、という注釈があり、明確な線を引けなかったようです。

南部と東部で攻勢をかけるウクライナ軍の動きが止まりません。奪還に成功した地域は日に日に増え、10月に入ってからウクライナ軍が南部ヘルソン州で進軍した範囲は、数十キロに及びます。

CNN、ウォルシュ記者:「数カ月のこう着状態から信じられない展開です。ロシア軍が唯一支配する都市ヘルソンを含め、黒海に届くドニプロ川以西の状況はまさに驚きです」

ヘルソンのロシアの支配地域はどんな状況なのでしょうか。住民に話を聞きました。

ゲンナンジーさん:「ここでは、まだロシア軍によって戒厳令がしかれています。墓地の近くに射撃場があります。そこで毎日、新しく来たロシア兵の軍事練習が行われています。住民はロシア軍を避け、生活しています」

待ちわびているのは一日も早い解放です。

ゲンナンジーさん:「私たちは誰になればいいのか。ロシア人?ウクライナ人?住民はこのひどい戦争が早く終わることを夢みています。そして、ウクライナが勝利者であることです」

一方のロシア軍は、苦戦をしているという状況を認めざるを得なくなってきました。

ロシア国防省、コナシェンコフ報道官:「ウクライナの戦車部隊は、我々の防衛の奥深くに切り込んできている」

ロシア軍の苦戦が伝えられるなか、欧米メディアや専門家からは、核使用への懸念が強まっていました。

タイムズ紙が報じているのは「ロシア国内で目撃された列車が、核兵器を担当する部隊を運んでいた可能性がある」というもの。「黒海の島に核攻撃をしたり、国境近くで核実験を行うのでは」という憶測も出ています。

また、イタリアメディアは、開発中の原子力核魚雷『ポセイドン』をテストする可能性を報じました。

ポセイドンは、放射能を含んだ高さ500メートルの津波を発生させることができると言われている核兵器です。

アメリカ国防総省、クーパー副次官補:「プーチン氏からのどう喝は聞こえているが、アメリカの核態勢を見直す状況ではない」

ただ、首都キーウでは安定ヨウ素が売れ、防空壕を整備する人も現れています。

キーウ住民:「(Q.核攻撃を信じる?)プーチンは何をしでかすか分かりませんから」

***

◆防衛省防衛研究所・兵頭慎治さん

(Q.なぜ国境線をはっきり言えないのでしょうか?)

拙速した併合だったので、混乱がみられます。特にルハンシク州とドネツク州ですが、ドネツク州でロシアが制圧している地域は、半分ちょっとしかありません。

さらに、ウクライナ軍の奪還の動きが強まっていて、境界線を今明らかにしても、ロシアの支配地域がさらに失われてくる可能性もあります。

プーチン大統領はこれまで「この2州の完全制圧が軍事目標である」と繰り返し述べてきたので、現実との整合性が取りにくくなっているのだろうと思います。

そして、4州を併合したとなれば、そこはロシア領であって、ウクライナの大規模な攻撃があった場合「ロシアは核使用も含めてあらゆる自衛措置を取る」と言っていますが、ロシア軍にはその余裕もないと思います。

今回、独立して編入されたとされる2つの“人民共和国”について、プーチン大統領はこれまで「本来の共和国の範囲は、今の範囲ではなく、州全体だ」という認識を示し、ドンバスの完全制圧と繰り返してきました。

今までの経緯が複雑で、どこが境界線なのかロシア国内に明らかにしにくい。それを言ってしまうと、色々な形で国内から反発が出る。このあたりも気にしているのではないでしょうか。

(Q.なぜプーチン大統領は急いで併合を進めたのでしょうか?)

本来であれば、4州を完全制圧したうえで併合したかったのだと思いますが、ウクライナの奪還の動きが強まっていて、支配地域が縮小していくことを気にして、見切り発車の形で併合に踏み切らざるを得なかったのではないかと思います。

併合してしまうと、この後はロシア領ということで、核の威嚇も含めて、ウクライナ側の攻撃を抑止することができるという思惑もあったのではないでしょうか。

(Q.核使用の可能性は出てきていますか?)

これまではプーチン大統領による“口先だけの政治的な威嚇”から“軍事的な威嚇”へ、
核使用を示唆するレベルを1段階上げてきたと感じています。

その理由としては、併合を完了しても、ウクライナ軍の奪還の動きが収まらないので、軍事的な威嚇のレベルを上げることによって、何とかウクライナ軍の攻勢を削いでいく狙いがあるとみられます。

アメリカは「ロシアが今、核使用に踏み切る切迫した状態にはない」と評価していますが、ロシアが今後、核弾頭貯蔵庫から運搬する素振りを見せるなど、軍事的な威嚇のレベルを高めていった場合、ウクライナや欧米側がどのような反応をしていくのか。このあたりも大きな焦点になると思います。 (C) CABLE NEWS NETWORK 2022
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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