ノーベル生理学医学賞 ペーボ教授の「進化人類学」とは…日本の第一人者が解説(2022年10月4日)

ノーベル生理学医学賞 ペーボ教授の「進化人類学」とは…日本の第一人者が解説(2022年10月4日)

ノーベル生理学医学賞 ペーボ教授の「進化人類学」とは…日本の第一人者が解説(2022年10月4日)

 ノーベル生理学医学賞にネアンデルタール人など古代人のゲノム解析と人類の進化に関する発見をしたとして、スウェーデンのスバンテ・ペーボ教授(67)が選ばれました。受賞した研究について、日本の人類学の第一人者に話を聞きました。

 国立科学博物館・篠田謙一館長:「人類学っていうと一般に骨を研究したりとか、そこから人類の起源を調べるんですが、(ペーボさんは)そういう教育を受けた人ではない。むしろお医者さんで、医学の方から考古学にも興味があって、古い人はどういう人だったのか知りたいと思ってDNAの研究を始めたっていう人なんです」

 人類学の第一人者・国立科学博物館の篠田謙一館長は、ペーボ教授と同じく古代人のDNAを研究しています。

 ノーベル生理学医学賞では人間の健康の役に立ったり、病気を克服したりといった応用的な部分が評価されやすく、「進化人類学」のような基礎的な学問が評価されるのは珍しいということです。

 国立科学博物館・篠田謙一館長:「恐らく評価されているのは、ネアンデルタール人という今から何万年も前の私たちの親戚筋にあたる人類の骨からDNAを取って、その彼らがDNAからどんな人たちだったのかを調べる、ネアンデルタール人のDNAが私たちにも入っているとのことを2010年以降に発表する、その部分が直接の受賞の理由だと思いますが、単純に古い骨のDNAが取れたということだけではなくて、私たちは何者だということに関するゲノムからの答えが出せるということを示したことであるとか、考古学とか、歴史学とか色んな学問に大きな影響を与える、人間とは何だということを分かるような、そういう研究方法を生み出したというところが一番評価されているのだと思います。彼(ペーボさん)の場合は恐らく、古代の人のことを知りたいっていうモチベーションが非常に強くあるわけです。昔の人と私たちの関係を調べるっていったらDNAを調べるのが一番そういう意味では確かですよね。そのDNAはどうやって調べたらいいんだろうというところから話を始めて、技術開発をうまく自分のモチベーション、自分の知りたいことにつなげていったということを延々ときっとやってきた人なんです。それで誰しもが思わなかったような古代のDNAを現代人と同じレベルで解析するっていうことは彼をして可能になったということになります」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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