元・自衛隊トップ「アメリカの注意力分散が目的か」“10日間で5回”北朝鮮によるミサイル発射の狙いとは｜TBS NEWS DIG
10月4日午前7時22分頃に北朝鮮が発射した弾道ミサイルが日本上空を通過しました。今回発射されたミサイルを含め、10日間で5回と異例な発射ペースとなっています。なぜ立て続けにミサイルを発射したのか？その狙いを自衛隊のトップ「統合幕僚長」を務めた河野克俊氏に聞きました。
■ミサイルが日本上空を通過 過去最長4600キロ飛行か
ホラン千秋キャスター：
今回のミサイルについて詳しく見ていきましょう。
4日午前7時22分ごろでした。
北朝鮮から1発のミサイルが発射されます。日本の上空を通って東の海上に落下したということです。この際に、青森県付近の上空を通過し、そして日本から東に約3200キロ離れた場所に落下したとみられています。
このミサイルの最高高度推定は約1000キロ、飛行距離も推定で4600キロ、これは過去最長の飛行距離だということなんです。
今回のように北朝鮮のミサイルが日本の上空を通過したという例は2017年9月にありました。この時以来ということなんですけれども、今回で7回目ということになります。
2017年に発射された弾道ミサイルは「火星12型」。この時は北海道上空を通過しまして、飛行距離約3700キロ飛んだということなんですけれども、今回のものと比べると約900キロほど飛行距離は短かったんですね。
4日、浜田防衛大臣が今回のミサイルについてコメントを発表しています。「火星12型の中距離弾道ミサイルと同型の可能性がある」ということなんです。
詳しく見ていきますと・・・
今回のミサイル、最近よく発射されていたミサイルとは違うものだということがわかるんです。
9月25日 弾道ミサイル1発
9月28日 弾道ミサイル2発
9月29日 弾道ミサイル2発
10月1日 弾道ミサイル2発
10月4日 中距離弾道ミサイル1発 「火星12号」の可能性
9月25日を起点にして、数日おきに北朝鮮は合計4回、短距離の弾道ミサイルを発射していたんです。
そして4日、中距離弾道ミサイル1発を発射した可能性があるということなんですけれども、10日間で5回の発射がありました。
地図で見ていきますと、飛距離というのが一目瞭然なんですね。これまで、4回発射したものは日本海に落ちているということなんですけれども、今回のものは太い線のものです。だいぶ飛距離が違うなということがこの地図からもわかりますよね。
今後、北朝鮮のミサイル発射があるのかどうかについて軍事ジャーナリストの黒井文太郎さんに伺いました。
軍事ジャーナリスト 黒井文太郎さん
「9月25日以降に発射されたのは既存のミサイル。今回の中距離弾道ミサイルは長距離ミサイルの発射実験に移る前のステップ。今後も日本上空を超えるミサイルが発射される可能性は高い」
と分析されています。
■“10日間で5回”北朝鮮によるミサイル発射の狙いとは
井上貴博キャスター：
これまでは飛距離を抑えてミサイルを発射していた。その中で、4日のミサイルは危険の度合い、挑発の度合いが高まったと思うんですけれども、河野さんは4日の一発、日本の上空を超えた、この意味合いについてはどうご覧になっていますか？
河野克俊 前統合幕僚長：
まず、このタイミングであった狙いはやっぱり先ほど報道でもありました通り米韓演習あるいは日米韓の演習を今やっているわけですよね。
それに対するリアクションだと思いますし、可能性の問題としては、北朝鮮はロシアを全面的に支持をしてるわけですよね。したがって連携があると思われる訳ですよ。今、ロシアが非常に劣勢に立たされているということになると、北朝鮮としてはミサイルを発射することによって、アメリカの注意力を分散することができるということですよね。北朝鮮は北朝鮮で、やっぱりアメリカを何とか振り向かせたいという狙いがありますので、そういった今のタイミングであったのではないかと思います。
井上キャスター：
自衛隊のトップとしてずっと陣頭指揮をとってらっしゃったので伺いたいんですけど、Jアラートしか国民は身を守る術というか情報がないんですけど、軌道によって変わるので対象地域が変わっていくのはある程度仕方ないなと思ったんですが、各局で対象地域はちょっとずれがある瞬間があったりしましたが、このJアラートの出し方について何か感じるところはありますか？
河野克俊 前統合幕僚長：
今回のJアラートについて、私もコメントしづらいんですが少しバラついたことは否めないと思いますので、今回の件を含めて、Jアラートの出し方についてはおそらく再検討されてるんだろうと思います。
■「Jアラート発令」どう行動？ミサイルが日本上空を通過
ホランキャスター：
Jアラートが発表された場合、そして自分がその対象地域にいたらどのようにして身を守ればいいのでしょうか？
▼自分が屋外にいる場合
・近くの建物の中か、地下に避難してください
・身近に地下鉄などがある場所は地下鉄などでもいいと思われます
▼屋内にいる場合
・窓から離れてください
・あるいは窓のない部屋へ避難するといいそう…（https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20221004-6044103）
▼TBS NEWS DIG 公式サイト https://ift.tt/p7wtsZE
▼チャンネル登録をお願いします！
http://www.youtube.com/channel/UC6AG81pAkf6Lbi_1VC5NmPA?sub_confirmation=1
▼情報提供はこちらから「TBSインサイダーズ」
https://ift.tt/cutdIz8
▼映像提供はこちらから「TBSスクープ投稿」
https://ift.tt/g7ORwWK
