「砂漠化を防げ!」日中共同の挑戦 黄砂を植林で食い止める【日中50】|TBS NEWS DIG
シリーズ「日中50」です。進む砂漠化を食い止めようと日本人と、中国人の師弟コンビが内モンゴルで緑化事業に取り組んでいます。2人が直面する新たな課題とは。
北京から西におよそ560キロの中国・内モンゴル自治区、オルドス。出迎えてくれたのは、モンゴル族のノリブ・セリンさん(48)です。向かった先には…
ノリブ・セリンさん
「ここは最初2005年に、植林のスタートした地点なんです」
ノリブさんたちが植林した砂丘。かつては一面、砂でした。植林に関わったのは、中国の人だけではありません。
ノリブ・セリンさん
「モンゴル語、日本語、中国語で書かれています」
ここは「中日友好記念林」。日本人も協力し、緑化が進められてきたのです。そのきっかけとは。
ノリブ・セリンさん
「坂本さんは私の日本語の先生なんですよ」
坂本毅さん、56歳。30年ほど前、青年海外協力隊の日本語教師としてオルドスに派遣されました。そこで聞いた、生徒の「悩み」に衝撃を受けたといいます。
坂本毅さん
「砂の山ができて家が砂に飲み込まれそうになって、街に引っ越しせざるを得なくなったという教え子もいた」
当時、現地ではカシミヤなどの価格高騰を背景とした行き過ぎた放牧により、砂漠化が進んでいました。舞い上がった砂による黄砂の被害は日本にも及んでいました。植林で、これらを食い止めようとしたのです。
17年間にわたる取り組みで緑は、東京ドームおよそ150個分にまで広がりましたが…
坂本毅さん
「緑化した後の土地をどう有効利用するか、そこがなければ現地の人たちの生活が豊かにならないので」
直面したのが緑化後の土地で、どう生計を立てていくのかという課題です。そのカギとなる可能性がこちら。
ノリブ・セリンさん
「この前、日本から届いたポリマー(保水剤)です。天然の粉です。水の節約ができて、すごく乾燥した地域でも植物が育ちます」
新型コロナの影響で今は現地に入れない坂本さんが、日本から送った保水剤=ポリマー。40%水を節約して農作物を育てることができ、収穫量と収入のアップが期待できるとして活用を検討しているのです。
今月、ノリブさんは地元の人たちとともに2000本の植林実験を行いました。ポリマーを使って植えた苗木と、そうでないもので成長を比べます。地元の人たちは、初めて手にするポリマーにまだ半信半疑の様子。
結果は来年の夏ごろまでに分かるということですが、ノリブさんは期待しています。
ノリブ・セリンさん
「本当に節約になる。水とか肥料とか、収入アップにつながると思います」
教師と生徒だった日中の2人が、地域の人とと共に進める取り組み。
坂本毅さん
「小さな成功例を積み上げていくしかないので、それを何年もかけて地道に作っていきたい」
ノリブ・セリンさん
「どんどんこういう形で色々な面で交流していけば、お互いの友情も深くなっていくのではないか」
砂漠地帯で17年間、根を張る木々。2人の挑戦は、これからも続きます。
▼TBS NEWS DIG 公式サイト https://ift.tt/Mu1ViGJ
▼チャンネル登録をお願いします!
http://www.youtube.com/channel/UC6AG81pAkf6Lbi_1VC5NmPA?sub_confirmation=1
▼情報提供はこちらから「TBSインサイダーズ」
https://ift.tt/zTi7EIt
▼映像提供はこちらから「TBSスクープ投稿」
https://ift.tt/6teEiD4
コメントを書く