「遺骨を持って帰って」納骨堂“突如閉鎖” 建物が強制競売に…説明会で檀家“紛糾”(2022年10月14日)

「遺骨を持って帰って」納骨堂“突如閉鎖” 建物が強制競売に…説明会で檀家“紛糾”(2022年10月14日)

「遺骨を持って帰って」納骨堂“突如閉鎖” 建物が強制競売に…説明会で檀家“紛糾”(2022年10月14日)

 「遺骨を持って帰ってくれ」と言われたということです。室内などに遺骨を納めることができる納骨堂が突如、閉鎖することを発表しました。説明会では、責任者から驚きの報告がありました。

■納骨堂が“突如閉鎖”「強制競売に」

 檀家(だんか):「毎日、毎日、手を合わせてやってきました。その気持ちに対して、あなたの所では、どういう答えをして頂けるのでしょうか」
 宗教法人の代表:「答えがない説明をしています。申し訳ありません」
 檀家:「説明会になっていないんだって」

 騒動の渦中にあるのが、札幌の宗教法人「白鳳寺」が運営する屋内納骨堂「御霊堂元町」です。

 9日から3日間にわたって開かれた説明会で、宗教法人の代表から納骨堂の現状について、驚くべき知らせがありました。

 宗教法人の代表:「建物は強制競売にかけられて、現在の所有者は○○というところになっています」

■納骨堂“差し押さえ”…1億560万円で落札

 競売にかけられた納骨堂は、10年前にオープン。札幌駅からは、直線距離でおよそ2キロ。最寄りの地下鉄元町駅からは400メートルで、アクセスの良い住宅街にあります。

 30万円のロッカー式から、9体分の遺骨が納められる250万円の豪華なタイプまで全6種類。およそ770人の檀家が利用しています。

 しかし、納骨堂の経営は、オープンして2年ほど経ったころから徐々に悪化。去年11月、ついに納骨堂自体が差し押さえられました。

 そして今年7月、競売で札幌の不動産管理会社が1億560万円で落札しました。

■「遺骨を持ち帰って」今月に建物“引き渡し”

 突然決まった納骨堂の閉鎖に、説明会に参加した檀家からは困惑の声が相次ぎました。

 説明会に参加した檀家:「(預けているのは)全部で6体ですかね。書面で何かちゃんとしたものがあるとかじゃなくて、口頭の説明だけで。弁護士もいなくて、もうどうしようもない」「皆もう詐欺にあったみたいだって。遺骨を皆、家に持って帰ってくれ。次の所は紹介する。だけど、お金は返せない。こうなったら仕方ないもんね」

 中には、閉鎖される前に、遺骨を持ち帰る人もいました。

 説明会に参加した檀家:「(納骨堂に)入れるうちに、遺骨を持ち帰るほうが良いかなと。泣き寝入りと言ったらおかしいが、今の状態ではそういうことだと思います」

 札幌地方裁判所は、納骨堂を運営する宗教法人に対し、今月27日までに札幌市の不動産管理会社に、建物を引き渡すよう求めています。

■「詐欺だ」落札後も納骨堂“お墓販売”

 さらに、説明会では新たな問題も発覚しました。

 競売で落札された後も、宗教法人は、納骨堂のお墓を販売していたのです。

 檀家:「(お墓を)最新で売った方は何月?」
 宗教法人の代表:「8月14日だったと思う」
 檀家:「一切(現状の)説明しなかった?」
 宗教法人の代表:「はい」
 檀家:「詐欺罪、成立しますよ」

 所有者が変わったにもかかわらず、檀家に納骨堂のお墓を販売した行為について、不動産トラブルに詳しい弁護士は、次のように話します。

 みずほ中央法律事務所・三平聡史弁護士:「第三者の手に渡ることが分かっていて、販売したということであれば、だましたことになるので、刑法上の詐欺罪にあたる可能性がある。懲役刑以外はないので、法定刑は10年以下の懲役になる」

■代表「利用できるよう調整する時間を優先」

 檀家が支払ったお金は返ってくるのでしょうか。

 三平弁護士:「この宗教法人が、どれだけの財産を他に持っているかに関わるが、もし他に財産が何もないことになれば、ほぼ返ってこないということになる」

 宗教法人の代表はANNの取材に対し、こうコメントしています。

 宗教法人の代表:「まずは引き続き、納骨堂を利用できるよう、調整する時間を優先させてほしい。時間ができ次第、取材には応じる」

 引き渡し期限まで残り13日。亡き人が再び安らげる日はくるのでしょうか。

(「グッド!モーニング」2022年10月14日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事