安倍元総理「国葬」異例の厳戒態勢…店前に行列「交通規制に苦戦」ピザ店に客入らず(2022年9月28日)
27日、安倍晋三元総理大臣の国葬が執り行われました。異様な光景に包まれた会場周辺の一日を追いました。
■一般献花 5キロ行列“3時間待ち”も
55年ぶりに行われた国葬。東京都心は、朝から異例の厳戒態勢となりました。
27日午前9時すぎ、ゲートが閉められて、会場周辺の靖国通りが通行止めとなりました。
警察官:「車両通ります!お気を付け下さい!」
警察官:「違う違う違う違う!ちゃんと誘導しろよ!」
午前10時から予定されていた一般向けの献花台は、1時間以上前から、すでに行列ができていました。
30分前倒しで始まった献花の列は、瞬く間に延び、待ち時間は3時間以上にも及びました。
日本武道館周辺には、一般献花に訪れた人たちが多く訪れています。この列は、半蔵門駅から奥の方まで、ずっと先が見えなくなるほど長蛇の列となっています。
岡山から献花に訪れた人(50代):「(Q.きょうは何時から並んだ?)6時から。安倍さんが大好きだったので、どうしてもきょう、お花を差し上げたくて参りました」
献花に訪れた中学生:「本当にこういう偉大な人は、この世にはいないんだなと、本当にそういう思いは感じました」
安倍元総理の功績をたたえる人、別れを惜しむ人など様々な思いを胸に花を手向けていました。
午後2時から始まった国葬。国葬に参列したのは、およそ4300人。秋篠宮ご夫妻をはじめ、7人の皇族方も参列されました。
葬儀委員長・岸田文雄総理大臣:「日本の、世界中の多くの人たちが、『安倍総理の頃』『安倍総理の時代』などと、あなたを懐かしむに違いありません」
■菅前総理 涙の弔辞「安らかに」
一方、会場となった日本武道館周辺では、デモ隊と警察の間で小競り合いが起こっていました。
「国葬」反対派と賛成派が、交差点を挟んでにらみ合う場面もありました。
こうした外の喧騒(けんそう)をよそに、会場内では粛々と葬儀が進んでいきます。
友人代表として弔辞を読んだのは、第2次安倍政権で、官房長官として安倍氏を支えた菅前総理でした。
菅前総理:「総理、あなたは常に笑顔を絶やさなかった。いつも周りの人たちに心を配り、優しさを降り注いだ。深い悲しみと寂しさを覚えます。総理、本当にありがとうございました。どうか安らかにお休み下さい」
海外からは、アメリカのハリス副大統領やインドのモディ首相など、700人が参列しました。
■店頭に献花の行列 客入らず
厳戒態勢のなかで営まれた国葬。影響は、様々な場所に及んでいました。
主要な駅のコインロッカーは、テロ対策で封鎖されたため、大きな荷物を預けられず、右往左往する人の姿が見られました。
20代:「ロッカーを使おうと思っていたので、どこに入れようか迷走中。入れられたらいいなと思っています。(国葬は)知っていたが、正直ここに来るまでは忘れていた」
朝から休む間もなく対応に追われていたのは、会場近くの生花店。
生花店店員:「(忙しさは)過去一です。覚悟はしていたんですけど…」
午後3時すぎには、すべての花がなくなっていました。
一方、国葬の会場近くにあるピザハット半蔵門店では、普段は宅配で忙しい昼時に、全く注文が入らず、売り上げの3割ほどを占めるテイクアウトの客も一向に来ません。
実は、この店、献花に向かう人の導線沿いにあるため、店の目の前の歩道が、人で埋め尽くされていたのです。
中嶋亮副店長:「(テイクアウト客は)多分、この状態だと入って来づらいかな。警察官が何人かいるが、(店に来るには)横入りという形になるので、入りづらいかなと思います」
ようやく宅配のオーダーが入りますが、今度はバイクを出すのも一苦労。
配達先は、普段ならば靖国通りを使って5分ほどで届けられる場所だったにもかかわらず、27日は交通規制があったため、迂回(うかい)せざるを得ませんでした。
中嶋副店長:「人すご。うわー、ここ使えないんだ」
時間は倍の10分かかりましたが、なんとか届けることができました。
中嶋副店長:「交通規制に苦戦した一日ではあった」
■海外メディア“国葬で分断”
55年ぶりとなった国葬。終わったのは、予定より1時間遅れの午後6時すぎとなりました。
午後4時までの受け付け予定だった一般向けの献花も、希望者の列が途切れず、終了時間が大幅に遅れ、午後7時ごろになりました。
海外メディアは、外国の要人の参列を伝える一方で、国葬が招いた分断を伝えました。
ニューヨーク・タイムズ:「安倍氏は、国際社会では重視されていたが、国内ではより対立を生じさせた」
CNN:「日本では、多くの人がきょうの国葬に抗議をしています」
賛否が分かれる形で行われた国葬は、何を残したのでしょうか。
(「グッド!モーニング」2022年9月28日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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