“3回目接種”64歳以下も前倒しへ・・・全国で止まらない感染拡大(2022年1月13日)

“3回目接種”64歳以下も前倒しへ・・・全国で止まらない感染拡大(2022年1月13日)

“3回目接種”64歳以下も前倒しへ・・・全国で止まらない感染拡大(2022年1月13日)

東京都が13日に確認した新型コロナウイルスの新たな感染者は3124人でした。都は感染状況の警戒レベルを1段階、引き上げ、「感染が拡大している」としました。このままいくと、来週には、新規感染者が1万人近くになるといいます。
国立国際医療研究センター・大曲医師:「増加比は、前回の308%から今回は843%と著しく上昇した。これまでに経験したことのない高水準となった。この水準が継続すると、1週間後の1月20日の推測値は、8.43倍の1日当たり9576人と危機的な感染状況となる」

この先、社会機能の一部が停止する恐れも指摘されました。
小池知事:「医療従事者、エッセンシャルワーカーを含む、すべての都民が感染者や濃厚接触者になるリスクが高まる。社会活動の停止を余儀なくされる可能性がある。都民の生活を守るための対策を早急に検討する必要がある」

ただ、飲食店に対する営業時間の時短要請など、さらなる対策の強化は今の時点では行いません。小池知事は、病床使用率がさらに上昇した場合に、まん延防止等重点措置や緊急事態宣言を要請する考えです。
小池知事:「病床使用率20%の段階で重点措置適用について、50%の段階で緊急事態宣言発出の要請について検討する。国に対しては、5類への適応類型への変更も含めて科学的な知見を集めていただくようお願いを申し上げたい」

東京の13日の病床使用率は15.1%。12日から1.4ポイント上昇しています。

練馬区では、第6波に備えて、去年秋に区が作った枠組みを活用し、一部の病院が、保健所の機能を肩代わりします。大泉生協病院では12日から、患者への電話連絡や、陽性となった場合の健康観察を始めました。
大泉生協病院・安岡淳一事務長:「(感染者が)急に増えてきているので、(当院の)発熱外来がオーバーフローすることはありうる」

東京都も保健所などを支援する職員の拡充を決めました。しかし、不安もあるようです。
都総務局調査課・天野哲史課長:「都庁は、これまでにも1000人を超える職員が、こういった応援に従事して、本務を離れ、その時々の仕事に対応してきた。ただ今回、急拡大という状況を受けて、職員のほうでも濃厚接触者になるとか、職場の職員が来られないといった状況を含めて、対応を考えていかなければならない」

13日に確認された全国の感染者は、1万8000人を超えました。1817人の感染が確認された沖縄をはじめ、11の県で過去最多。重症者は20人増え、125人でした。

現在、10市3町をまん延防止等重点措置の対象としている広島県。急速な感染拡大を踏まえ、県内全域に拡大することを決めました。
湯崎知事:「過去の感染拡大とは全く比較にならない、まさに想像を絶する速度。先手を打った感染拡大防止が必要だと認識している」

各地の宿泊療養施設は滞在者が急増しています。名古屋駅近くのホテルでは、ついこの間まで数人の状態が続いていましたが、今は約300人を受け入れています。
看護師・松山旭さん:「やはり感染力が強いということで、感染者数は、第5波のときと、デルタ株と比べると、本当にすごく増えているような感じはする。症状的には、重症者は少ない感じがしているが、増えてくるにあたって、どうなるかなと心配しながらみている」

大阪府の新規感染者は2452人。12日より約700人増加しました。2000人を超えるのは去年9月以来です。大阪でも社会機能の停止が現実味を帯びています。
吉村知事:「科学的な根拠に基づいて、14日間ずっと自宅待機ということであれば、陽性者が増えて濃厚接触者も圧倒的に増えてくるなかで、医療機関含めて、重要な社会インフラが一部成り立たなくなる可能性がある。オミクロン株の特性に合わせた濃厚接触者の待機期間の短縮をするべきだと思う」

こうした状況に、政府も動き出しました。
岸田総理:「科学的な知見をしっかり集約させていかなければならない。そして、そのうえで指摘があったような濃厚接触者の隔離期間等についても、必要に応じて対応していくことも考えていきたいと思っている」

ただし、小池知事などが求めている感染症法上の2類相当から5類への見直しについては、こう述べました。
岸田総理:「現状、感染が急拡大している状況のなかで、分類の問題を変更することは、たちまちは現実的ではなく、その後、また変異が生じた場合に、それからまた変更するなんてことになると、これはなかなか大きな問題を引き起こしてしまうので、特質をしっかり考えたうえで、この分類の変更も考えていかなければいけない」

厚生労働省に助言を行う専門家会議は、濃厚接触者の待機期間について議論しました。夕方には関係閣僚が官邸に集まり対応を協議。待機期間の短縮については、専門家の意見を待ち、結論を出す方向です。一方、ワクチンの3回目接種の前倒しについては、医療従事者や高齢者施設の入所者以外にも対象を広げることが決まりました。3回目の接種対象は約1億人。そのうち8500万回分を全国の自治体に4月上旬までに配送する予定だということです。
ワクチン担当・堀内大臣:「重症化の恐れのある方、医療従事者の方々、高齢者施設の入所者の方々、介護者の方々、そして高齢者の方々、そういった方々を打っていただいて、なお余力がしっかりある方には一般の方も前倒しをしていってもらっても構わない」

◆山本志門官邸キャップに聞きます。

(Q.ワクチン前倒し決定しましたが、官邸は危機感を強めているということでしょうか)
きょうの動きを見ていると、相当、ねじをまいた感じがあります。現状、医療従事者などへの3回目の接種率は0.8%にとどまっていて、「岸田総理は、この数字に関しては、ずっと気にしている」という話も漏れ聞こえていた。
前の菅政権の幹部も「ワクチン接種が遅すぎる。今、在庫を持っている分は、どんどん打っていくべきだ」と苦言を呈していました。自治体から「国がワクチンの供給スケジュールを示さないから進められない」とう突き上げの声が出ていることについて、ある官邸幹部は「3回目は、在庫を打っていけばいいと」と不快感を示したように、今回、改めて、自治体に働きかけた形です。国と地方のコミュニケーションがうまくいっていないのが、気になるところです。

(Q.小池知事が20%でまん延防止等重点措置、50%で緊急事態宣言を検討と発言しました。政府は、どう対応するのでしょうか)
政府は、まん延防については自治体の要請があれば基本的には受ける方針で、小池知事の東京が要請をしてくればそれも受ける方針です。ただ他の自治体については、より病床の使用率が悪化した場合に適用していく考えを示しています。

一方、緊急事態宣言については、官邸はさらに慎重です。国民の間で、オミクロン株は普通の風邪と同じ意識が広がってきていて、経済を止めることに否定的になってきているとみています。この状況で宣言を出しても効果が限られているではないかとみていて、だからこそ、医療のひっ迫を避けるように手を打っていくことで、行動制限をかけずに済ませたいというのが現状です。

(Q.濃厚接触者の隔離短縮についての検討状況はどうなっているのでしょうか)
政府高官は「科学的知見をもう少し集めたい」と話しています。人手不足だけを理由に隔離期間を短くして、感染爆発を招くことになれば、批判を受けることになるため慎重です。ただ短縮すること自体は規定路線で、あす発表する予定です。ここについては政治判断ではなく、科学的なお墨付きを
踏まえたうえで決定したいとしていて、隔離期間については、専門家の考えを踏まえて最終的な判断をする考えです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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