「打ち控えする必要ない」ワクチンとどう向き合う?“オミクロン株対応”専門家解説(2022年9月13日)
オミクロン株に対応した新型コロナワクチンが12日、特例承認されました。今回、承認されたのは、2種類のウイルスに対応した『2価ワクチン』と呼ばれるものです。従来株に対応した成分と、オミクロン株の『BA.1』に対応した成分を混ぜています。
BA.1に対する効果は、どこまで違うのでしょうか。ウイルスの働きを抑える“中和抗体”の量で比較します。従来のワクチンを接種した人と比べて、ファイザー社製の場合は1.56倍、モデルナ社製の場合は1.75倍。流行中の『BA.5』にも効果があるとされています。
◆日本ウイルス学会理事で、感染症学が専門の長崎大学・森内浩幸教授に聞きます。
(Q.中和抗体の量が1.56倍、1.75倍という数字。これは発症予防にどの程度の効果があるのでしょうか)
長崎大学・森内浩幸教授:この中和抗体は、BA.1をブロックするものであって、それがそのまま感染や発症を防いだり、重症化を防ぐ数値として反映されるということではありません。それを明らかにするデータは出ていませんが、オミクロン株に対して、有効な抗体が増えているということで、これまでのワクチンよりは効果を期待できると思います。BA.5に関しても、よく似たウイルスですので、これまでのワクチンよりは効果が期待できると思います。
接種対象者は、2回目の接種を終えた人で、ファイザー社製は12歳以上、モデルナ社製は18歳以上。接種間隔は、現状“5カ月”ですが、欧米では接種間隔が2カ月、3カ月ですので、短縮する検討が始まっています。9月19日から自治体への配送が始まり、4回目接種を待つ60歳以上の方、基礎疾患のある方、医療従事者が優先。その後、3回目未接種のエッセンシャルワーカーなど、10月半ばをめどにすべての人が対象になります。
(Q.順番が回ってくるまで、オミクロン対応のワクチンを待ってもいいでしょうか)
長崎大学・森内浩幸教授:いまのワクチンでも、現在、流行しているBA.5が重症化することを食い止める力は示されています。流行は、まだ続いていますので、新しいワクチンを打ちたいと待っている間に、感染して重症化する恐れがあると思います。リスクがある人、高齢者や基礎疾患のある人は、打ち控えをせず、すぐに接種できるワクチンで接種していただきたいと思います。
(Q.受験など、大事な時期に合わせたい人もいると思いますが、ライフプランにあった接種を考えてもいいのでしょうか)
長崎大学・森内浩幸教授:ワクチンの供給や、そのとき医療が、どの程度、ひっ迫しているかによっては、思うようなタイミングでワクチンの接種ができないこともあると思います。そういうリスクがあることを頭において、考えていく必要があると思います。
(Q.私たちはワクチンとどう向き合っていくべきでしょうか)
長崎大学・森内浩幸教授:だんだん、私たちのなかに集団免疫ができていき、それが強くなっていくと、これまでように、年に何回も流行の波が起こるのではなく、冬場に流行するウイルスに変わっていくと思います。それでも、しばらくはインフルエンザ並みか、それよりも怖いウイルスであり続けると思いますので、毎年、冬場に備えてインフルエンザのワクチンと同じように、新型コロナのワクチンを打っていく。今回のように、中身を入れ替えながら、しばらく続けていくことを考える必要があります。もっと、その先になると、風邪のウイルスのように、そこまで強くワクチン接種を強く推奨しなくてもよくなっていくと思いますが、今しばらくはインフルエンザ並みと思ったほうがいいと思います。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
コメントを書く