「処分や交代は考えていない」“旧統一教会”調査…これで幕引き?記者報告(2022年9月8日)
“旧統一教会および関連団体との関係”について、自民党が行った調査結果が出ました。自民党所属の国会議員379人のうち、179人が統一教会や関連団体と接点があったということです。
◆政治部の山本志門記者に聞きます。
(Q.これだけ多くの議員に関わりがありましたが、岸田総理としては“これで調査は終了”と考えているのでしょうか)
岸田総理としては、自民党所属議員に対しては、これで終わりだと考えています。それぞれが「これまでの経緯をしっかり説明して、国民の信頼を回復してもらわなければならない」と述べていまして、個人任せの対応にして、この問題の収束を図っていきたい考えです。
ただ、総理側近からは「出口が見えない。このあと、どうすればよいのか見えてこない」として、手詰まり感が出ています。自民党のある閣僚関係者は「これでケジメとしたいが、そうはならないだろう」と話します。というのも、当初からこの調査について「あいまいな部分が多い」と指摘する声が、自民党幹部からも出ていました。例えば、選挙のボランティアも「いたかもしれない」で『あり』にした人もいれば、『なし』にした人もいます。また、関連団体とは何なのか。そこの線引きも不明瞭だという声も多く上がっていて、回答にばらつきが出ている可能性があります。それぞれ判断基準が違うことから、議員によって回答に温度差が生じていて、べテラン議員からは、今後、またポロポロ出てきた場合、「調査の信ぴょう性がないと言われかねない」と懸念する声もあります。
(Q.今回、名前が挙がった議員に対し、何らかのけじめが必要ではないかという声が上がってくるのではないでしょうか)
岸田総理としては、処分や交代などは全く考えていません。そもそも、今回の自民党の調査、それぞれ所属議員の“自己点検”という体裁に留めています。党内からは「法律を犯しているわけでもないので、処分は現実的に難しい」と指摘する声もあります。ただ、ある閣僚関係者は「処分も何もしないなら、国民は納得しない。もっと厳しくしないと、この話は終わらない」と受け止める向きもあります。今回の対応で、内閣支持率の下落傾向に歯止めをかけられるのかも、今後の対応のポイントになってくると思います。
(Q.これだけ関係があると、これまでの政策に歪みがなかったのではないかと。その検証も必要ではないでしょうか)
これまでの政策決定にゆがみがあったのか、なかったのか。ここが本質だと思います。野党側は、安倍元総理と旧統一教会との関係は「深かった」として、政策決定にも影響が出たのではないかなどと追及する構えです。具体的には、教団の名称変更、捜査に関して何らかの政治の圧力があったのかどうかなど、今後、秋に予定される臨時国会の論戦のポイントになってくると思います。
さらに、今後の被害を拡大させないため、政府・自民党が本気度を示せるかどうかも大きな焦点だと思います。
政府は、すでに法務省を中心とした関係省庁間での体制を立ち上げていますが、自民党でも、被害者救済などをどうしていくのか検討していく方針が示されました。霊感商法や2世の信仰、あるいは生活を壊すほどの献金など、現在進行形の問題もありますので、全体を俯瞰してみれば、まだまだこの問題、決して終わりではないのだろうと思います。
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