“思い込み”“確認不足”重なったミスが招いた…女児バス置き去り死 幼稚園が会見(2022年9月7日)
静岡県・牧之原市で、通園バスに置き去りにされた河本千奈ちゃん(3)が重度の熱中症で死亡したことを受け、認定こども園『川崎幼稚園』が7日に会見を開き、安全管理ができていなかったことを謝罪しました。
川崎幼稚園・増田立義園長(73):「亡くなられた園児およびご遺族に、心よりおわび申し上げます。また、保護者の方々につきましては、今回の事故によって、ご心配ご迷惑をおかけしておりますところおわび申し上げます」
事故当日、いつもの運転手が休みだったため、代わりに通園バスを運転していた増田園長。バスには、70代の派遣職員の女性も一緒に乗っていました。
川崎幼稚園・増田立義園長:「(Q.園児が(バスに)残っていないかの確認をなぜしなかった?)僕もいつもやっていなかったので、運転をするのが不慣れだったのが一つの原因だと思います。(Q.忘れ物確認をしようとかも思わなかった?)その時は、私の“園長”という立場か習性かもしれないんですけど、その人(補助の女性職員)にお任せしているものですから、そこまでは気が回らなかったです」
川崎幼稚園・杉本智子副園長(58):「乗務員はふだん、いつもの運転手とは協力して、そういうこと(確認)ができていた。任せきりにしていたところもあった。今回、臨時で園長先生が運転することになった時に(確認を)やってくれるだろうと思っていた。でもそこがコミュニケーション不足だった。『お願いします』と言うとか、確認を自分でする方法を取っていれば良かった」
幼稚園側は、事故が起きた原因を4つ挙げました。
川崎幼稚園・杉本智子副園長:「1つは、バス下車時に、乗車名簿と実際に下車する園児を照合する決まりとして伝えられていなかった。2つ目に、バスが幼稚園に到着し、園児がバスに取り残されていないかをダブルチェックする決まりになっていなかった。園児が下車した後に、運転手がバス車内を確認しなかった」
園に到着し、最初に1人を降ろした後、残りの5人には、自分で降りるように声をかけたということですが、千奈ちゃんが降りたかどうかは、確認していなかったということです。
川崎幼稚園・杉本智子副園長:「3つ目に、クラス補助が最終の登園情報を確認していなかった。4つ目に、登園する予定の園児が教室にいなかったにもかかわらず、クラス担任が『職員室に確認』『保護者に問い合わせ』をしなかった」
川崎幼稚園では、休みや遅刻などをする場合、保護者がアプリに、その旨を打ち込みますが、登園する場合は何も打ち込みません。千奈ちゃんの保護者は、何も打ち込んでいませんでした。
川崎幼稚園・杉本智子副園長:「連絡なく休む園児もいたため、被害園児もきょうはお休みなのかなと考えてしまったところがありました。(Q.欠席と認識していたのでしょうか?連絡なく休む園児もこれまでにいたので、千奈ちゃんもそうだろうと)連絡なく休むことが実際、千奈ちゃんの場合はなく、お母さんがいつもきちんと連絡をしていたのですが、この日、担任は休みなのかなって思ってしまったということです」
川崎幼稚園・増田立義園長:「(Q.今回の事案はたまたま起きたミスか、起こるべくして起きたのか?)両方だと思います」
今回、非常に大きく感じられるのが、人為的ミスです。それを少なくする可能性があるシステムが開発されています。
ハイフライヤーズキートス統括主任・濱野順帆さん:「スマートウォッチのような端末や、名札型のカードを身に着けることで『子どもの位置情報』『どこの部屋に何人』『どの位置に誰がいる』を確認できる」
千葉県内で、13の認可保育園を運営する企業が導入を目指している、腕時計型の端末。心拍や血圧など、バイタルデータもリアルタイムで送信されます。
ハイフライヤーズキートス統括主任・濱野順帆さん:「例えば今回の事故のように、熱中症で『心拍が著しく上がる』『血圧が著しく下がる』異常値があった時、アラートを鳴らしたり、保育士や保護者に通知を飛ばすことが今後可能になる」
屋外でも、携帯用のワイファイ・ルーターで通信するので、送迎バスの置き去りにも対応できます。
ハイフライヤーズキートス統括主任・濱野順帆さん:「万が一、自分が気付けなかったらという怖さは常にある。人間の目で気付けなかったものを、機械が気付いてくれる。こういうシステムは絶対に必要では」
川崎幼稚園では会見に先駆けて、午前10時ごろから保護者説明会が行われました。その最中、保護者7人と保育士6人の合わせて13人が体調不良を訴え、救急搬送される事態となりました。
消防によりますと、保護者については主に過呼吸で、なかには、興奮状態で泣いている人もいたということです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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