【独自】「ムール貝」熱波の影響が…フランスで“収穫量減少” 日本でも“値上がり”【もっと知りたい!】(2022年9月6日)
今年の夏、ヨーロッパを襲った記録的な熱波。その影響は、海の中にまで及んでいることが分かりました。フランスでは、市民に愛される「ムール貝」に大きな被害が出ています。
■「クモガニ」増殖で…収穫量減少
この週末、フランス北部の観光都市リールでは、3年ぶりにお祭りが開かれ、にぎわいを見せました。なかでも人気だったのが、大きな黒い貝殻のムール貝。2日で500トンが消費されました。
しかし、この夏、ヨーロッパ各地は熱波によって、40℃を超える記録的な暑さになりました。その影響で、ムール貝の収穫量が減っています。
杭に巻かれたロープを使って養殖されるムール貝。ところが、杭を見てみると、そこにいたのは、近年、養殖場近くの海岸で急速に増殖している「クモガニ」です。
漁師:「これが大きな雄のカニで、成長したムール貝を食べます」
びっしりとムール貝が付き、養殖に成功した杭と比較すると、明らかに数が少ないのが分かります。
実は、このクモガニが増えている背景には、熱波が関係しているというのです。
養殖業を営む ロイック・メインさん:「クモガニが増えたのは、水温が上がって(これまで1回だったのが)年に2回、産卵できるようになったから。種の繁殖力が非常に強くなりました」
■日本で価格値上がり…諦める店も
ムール貝の収穫量が減っている影響は、日本にも及んでいます。フランスからムール貝を輸入している会社では、価格の値上がりに頭を悩ませています。
株式会社東京468(ヨーロッパ)食材・村下雅和代表取締役:「価格的には約33%、販売価格、卸価格は高騰しています。昨年は、この時期で1パック4700円(1.4キロ)で提供していた。今年は例年よりちょっと高く、7000円となっています。我々も30年以上、輸入をやっていますが、最高値でございます」
収穫量の減少に、輸送費の高騰なども相まって、価格が大幅に上昇。フランス産を諦めるレストランも増えています。
村下代表取締役:「非常に心苦しいですよね。もう少しお気軽に使って頂ける値段にしたい。そういう考えはあるのですが…ただ、そうできない現実もございます」
■“国産カキ”気候変動の影響なし
そうなると心配されるのが、同じく猛暑に見舞われた日本国内の海洋養殖事情です。まもなく旬を迎える国産のカキは、大丈夫なのでしょうか?
カキ&貝料理専門店 西荻窪ワーフ・大田達也料理長:「1年で育つカキなので。雑味がなく、癖がなく、食べやすくておいしい」
この夏、ヨーロッパを襲った熱波の影響で、フランス産のムール貝の収穫が減り、価格が高騰するなか、気になるのは、まもなく旬を迎える国産の養殖カキの値段です。
大田料理長:「(仕入れ値が)10%くらい上がっていると思っています」
国内で養殖されたカキを仕入れている店では、仕入れ値が1割、1個あたり10円から20円ほど値上がりしました。しかし現状、気候変動の影響はあまり受けておらず、店で提供する価格には、ほとんど影響を及ばさずに済みそうだといいます。
価格以外に、国産ならではのメリットもあるそうです。
大田料理長:「元々、長く契約しているので、優先的にカキを送ってくれるところもある。安定して供給できていると思う。実際に作られた方の顔も見られるというところで。安心安全、おいしいという3前提をもとに、日本の国内でこだわりでやっております」
(「グッド!モーニング」2022年9月6日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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