「少し楽になった」コロナ医療現場の負担は“全数把握”見直し 4県で手探りのスタート(2022年9月2日)

「少し楽になった」コロナ医療現場の負担は“全数把握”見直し 4県で手探りのスタート(2022年9月2日)

「少し楽になった」コロナ医療現場の負担は“全数把握”見直し 4県で手探りのスタート(2022年9月2日)

宮城・茨城・鳥取・佐賀の4県で、新型コロナウイルスの感染者の全数把握の見直しが2日から始まりました。大きく変わった運用方法。医療現場ではどのように感じたのでしょうか。

水戸市内のクリニック。患者を診る業務は2日も変わりはありません。1日までと違うのは、患者が帰ってからの仕事です。

医療機関は今まで、名前や住所、症状などコロナ感染者全員の情報を保健所に報告する必要がありました。2日から茨城など4県では、高齢者や重症化リスクのある人以外、報告しないことになりました。

くらのクリニック・蔵野康造院長:「(きょう判明した)患者さんは、いずれも発生届の対象外となるので『陽性者数登録フォーム』に数を入力します」

対象外の感染者については年代と人数を入力するだけです。

くらのクリニック・蔵野康造院長:「数を入れるだけだと簡単です。うちだと昼休みに入力してるようにしているが、その分、昼休みを短くすることもできれば、診ることができる患者の数も多くなるかもしれない」

ただ、容体が悪化した場合に備える必要はあります。

くらのクリニック・蔵野康造院長(陽性者に連絡):「もし体調が悪化した時は、くらのクリニックか、県庁の陽性者相談センター、あるいは保健所に相談して、次の方針を立てる形となる」

つくば市内の総合病院です。軽症・中等症合わせて15床が用意されていますが、現在、入院患者は18人。コロナ病床以外でも受け入れざるを得ない状況です。入力作業は今まで、看護師や事務職員3人ががりで半日かかっていたといいます。

筑波記念病院・渡辺裕子医師:「本日は1人の態勢で入力を済ますことができた。通常業務をおして、やらなければいけないこともあった。少し楽になったかな」

ただ、懸念もあります。

筑波記念病院・渡辺裕子医師:「健康観察が誰の目も入らず、不安になる人は多いと思う。夜間に調子が悪くて、救急車を呼んで受診も多くなる。発熱者を診ている病院に集まって、負担が増えるのではという懸念」

茨城県が地元医師会向けに行った説明会でも、様々な懸念の声が出ました。手探りのスタートとなります。

茨城県医師会・松崎信夫副会長:「発生届を出されないような方の中で、重症化する方のフォローができる仕組みを、今までも運用は続けていたが、さらに充実させる必要がある」

やはり課題となるのが報告の対象から外れる人へのサポートです。鳥取県では『コンタクトセンター』を設置。医療機関の紹介やパルスオキシメーターの貸し出しなどを行います。

政府は、具体的な時期は決めていませんが、全数把握を全国一律で見直す方針です。三重や大阪などすでに見直しを決めた自治体や、見直しを検討しているところもあります。

今月下旬までに見直す大阪府。アンケートでは、医療機関の57%が全数把握によって適切な医療の提供が難しくなっていると答えたといいます。

大阪府・吉村洋文知事:「全ての人、リスクの低い人も全数把握するのは、どこかで見直していかなくてはならない。コロナと共存するうえで進むべき方向性だと。課題を整理したうえで、全数把握は見直すべき」

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全数把握の見直しによって、保険金の支払いも見直されることになります。

現在は、民間の医療保険に入っている場合、自宅療養や宿泊療養でも『入院給付金』が支払われています。

保険会社に請求する際は、医療機関や保健所から出される『療養証明書』が必要でした。それが今後、軽症者などが報告の対象外になると、療養証明書が発行できなくなります。

これを受けて、生命保険協会は療養証明書の代わりに、自宅療養者が健康状態を入力する『My HER-SYS』の画面や、医療機関で受けるPCR検査・抗原検査の結果、自治体のフォローアップセンターの受付結果など、こうしたもので保険が支払われるよう、各社に周知しました。

ただ、保険については別の動きもあります。あまりにも対象が広いため、入院給付金の支払いが、今年度6月末で去年度の2倍近くになっています。

今後は、支払い対象を『重症化リスクの高い人』に限定し、早ければ9月下旬から各社の判断で適用する見通しです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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