“日本に引き渡される可能性は低い”妻子殺害容疑でブラジル逃亡の夫はどう裁かれる?現地で重刑の可能性も|TBS NEWS DIG

“日本に引き渡される可能性は低い”妻子殺害容疑でブラジル逃亡の夫はどう裁かれる?現地で重刑の可能性も|TBS NEWS DIG

“日本に引き渡される可能性は低い”妻子殺害容疑でブラジル逃亡の夫はどう裁かれる?現地で重刑の可能性も|TBS NEWS DIG

大阪・堺市で妻の荒牧愛美さん(29)と長女のリリィちゃん(3)を殺害したとして指名手配されたブラジル国籍の夫バルボサ・アンデルソン・ロブソン容疑者(33)。既にブラジルへ出国したことが分かっていますが、今後どのように裁かれるのでしょうか。専門家に聞きました。

■大阪妻子殺害“離婚”の話も 容疑者の夫はブラジルへ

ホラン千秋キャスター:
大阪で妻子の殺害事件が起きたのは8月24日のことです。大阪・堺市のマンションから2人の遺体が見つかりました。荒牧愛美さん(29)とリリィちゃん(3)です。殺人容疑で指名手配されているのが、ブラジル国籍の男、バルボサ容疑者(33)です。

この家族は何かトラブルがあったのかどうなのか、荒牧さんの友人からこんな話を聞くことができました。

荒牧さんの友人によると「8月はじめに旅行に行くなど、家族は仲が良さそうだった」と話していたと一方でバルボサ容疑者は「育児も手伝ってくれないし、ケンカも重なって離婚を考えている」と話していたということです。

仲が良さそうだけれども、うまくいっていない部分もあると読み取ることができます。では事件の経緯を見ていきましょう。

まず2人が亡くなったとみられる日時。

▼8月20日から21日に殺害されたとみられています。

▼8月21日
午前10時半頃にはバルボサ容疑者が、自宅近くの駅から電車に乗ったことが確認されています。その1時間後、午前11時半頃には大阪府内の防犯カメラに姿が捉えられています。

▼8月22日
バルボサ容疑者が勤務先に「事故に遭い2週間休む」という連絡を入れました。

その夕方、荒牧さんはもう亡くなっている日付なんですが、荒牧さんの携帯から親へ「体調不良なので来ないでほしい」というメールがあったということでした。どうやらこれが、バルボサ容疑者が事件の発覚を遅らせるために行った偽装工作なのではないかというふうに見られています。

そして事件が発覚する前に、バルボサ容疑者は成田空港からブラジルへ出国したことがわかっています。ここから2日後の24日、事件が発覚することになるわけです。

▼8月24日
午前9時ごろ荒牧さんたち2人の遺体が発見されました。遺体には首や胸などに刺し傷がありまして、部屋からは血の付いた包丁が見つかっています。第三者が侵入した形跡はなかったということです。

▼8月27日
バルボサ容疑者のものとみられるフェイスブックにコメント。日本語に訳すと「何が本当に起こったのかは分からない。真実はすぐに明かされる」。何についてコメントされているかというのは明示されておらず、事件についてつぶやいたのかどうなのか分かりません。

▼8月31日
殺人容疑で指名手配されました。

■ブラジルの法律で裁かれる?日本の警察は介入できない?

ホランキャスター:
今後この事件、どのような展開が考えられるのでしょうか。そもそも日本でバルボサ容疑者を罪に問える可能性があるのかという点についてなんですが、警察は外国で捜査をすることができません。

では外国に逃げてしまった逃亡犯を引き渡してもらう方法はあるんでしょうか?
「犯罪人引渡し条約」という逃亡犯の引き渡しを義務付ける国際条約があるんですが、日本とバルボサ容疑者の逃亡先、ブラジルとの間ではこの条約は締結されていません。

ただ、国によってはこの締結なしで引き渡したケースもあるということです。今回もその可能性はあるんでしょうか?

実は難しそうな背景があるんです。それが逃亡先のブラジルでは憲法で、「いかなるブラジル人も犯罪人として外国に引き渡されることはない」と定められています。これまでに引き渡した例もないということです。そのため、バルボサ容疑者が日本に引き渡されるという可能性は低そうです。

となると本人自ら日本に出向かなければならないわけですが、もしそうならなかった場合もう一つ可能性があるということです。

国際刑事司法に詳しい越智准教授は次のように話しています。

国際刑事司法に詳しい 立命館大学 国際関係研究科 越智 萌 准教授
「ブラジル政府に要請し、現地の法律で裁く『国外犯処罰』となる可能性が高い」

つまりブラジルで罪に問うという方法があるそうなんです。

「国外犯処罰」過去にはどういった例があるのか。

▼2005年、静岡・浜松市で起きた事件では、ブラジル国籍の男が男性から現金を奪い殺害、その後にブラジルに帰国しました。この事件に関しては、このシステムを使って禁錮34年5か月の判決が下ったということなんです。

では今回もこの方法で裁くことができるのか。越智准教授によりますと「ブラジルでは日本からの要請があれば、協力して国外犯を裁く制度が整っている」ということです。さらに有罪となった場合は「女性や子供に対する犯罪は厳しく処罰される傾向があるため、重い刑が科される可能性もある」ということでした。

井上貴博キャスター:
今回の事件は2人を殺害したおそれがあり、偽装工作もしていたということで大変悪質なんですが、ここから先はブラジルに対して捜査などを働きかける…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20220902-6038215)

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