「手放しで喜べない」開発進む一方で戻れない住民も 福島・双葉町一部で避難指示解除(2022年8月30日)

「手放しで喜べない」開発進む一方で戻れない住民も 福島・双葉町一部で避難指示解除(2022年8月30日)

「手放しで喜べない」開発進む一方で戻れない住民も 福島・双葉町一部で避難指示解除(2022年8月30日)

福島第一原発事故から11年5カ月。双葉町では、帰還困難区域のうち、特定復興再生拠点区域の避難指示が解除され、住民の居住が、事故後、初めて可能になりました。これで、県内すべての市町村で、住民が暮らせるようになりました。

今回、避難指示が解除されたのは、町の面積の約1割。準備宿泊の登録は、延べ51世帯84人と、町民全体の1.5%に留まっています。
自宅が避難指示解除の谷津田陽一さん(71):「引かれた線がなくなって、開放された感じがします。太陽が出てきた感じはしますね。自分では“戻れるなら戻りたい”と思っていたけど、双葉町の人「きょう解除」といっても、十何人っているのかな。双葉町に戻る人の、あまりの少なさに、ちょっとがっかりしているというか。町の復興は、また別なので、ぜひ県外の方とか、極端なことを言えば、海外からでも双葉町に興味持った人は、双葉町の役場にでも電話してもらって住めるように、少しでも人数が増えるようになればいいなと思います」

解除となっても、人が戻らなければ、町は廃れるばかりです。双葉駅周辺は、復興に向けた開発が進んでいますが、今回、解除された区域には、営業している商店は1軒もありません。町によりますと、駅の東側に商業施設を開業する計画がありますが、それも2、3年先のことだといいます。
ふたばプロジェクト ・宇名根良平事務局長:「きょうゴールではなくて、スタートとか通過点かなって思います。まだまだ町の復興が成し遂げられたとは言いませんし、やっと住むことができるっていうスタートラインに立ったばかり」

一方で、スタートラインにさえ立てない人もいます。鵜沼久江さん(69)は、双葉町に45年住んでいましたが、現在は、埼玉県加須市で避難生活を送っています。自宅がある地域は、まだ除染されておらず、避難指示の解除は、めどが立っていません。
自宅が帰還困難区域の鵜沼久江さん(69):「心境的には手放しでは喜べない。一部だけが解除になって、バンザイってわけにはいかない。自分の家は(ゲート向こう)ですからね。帰れない。いつ帰れるか見通しが全然立ってない。毎回、双葉町って話が出るたびに、『あなたのところ解除になったでしょ』『もう帰れるんだよね?なんでここにいるの』と埼玉の人に言われますね。それはかなりきついです。いつになるんですかね。本当にいつになるんですかね。これがきれいになるまで生きているんだろうかね。生きているうちに帰りたい」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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