【捜査急転】中国 消えた預金約8000億円…女性を殴る蹴るの暴行…次々と解決のワケ(2022年8月30日)

【捜査急転】中国 消えた預金約8000億円…女性を殴る蹴るの暴行…次々と解決のワケ(2022年8月30日)

【捜査急転】中国 消えた預金約8000億円…女性を殴る蹴るの暴行…次々と解決のワケ(2022年8月30日)

 中国の飲食店で女性客が男らに暴行された事件と中国の地方銀行で8000億円規模の預金が引き出せなくなった問題。一見、何の関係ないように見えるこの2つの事件ですが、実はほぼ同時期に捜査が急展開しました。背景には、中国当局のある思惑があるといいます。

 中国の複数の地方銀行で、40万人ともみられる人々の預金合わせておよそ8000億円が引き出せなくなった問題で、地元当局がおよそ1000万円までの預金を立て替えるとしたのです。

 4000万円の預金者:「あの抗議があったから(事件の)処理を急いだんだ」

 この問題を巡っては、共産党の幹部がデモを抑えるため、参加者のコロナアプリを操作し「感染の可能性あり」として、隔離してしたとして処分されるなど国民の不信が非常に高まっていました。

 また、問題の複数の地方銀行を傘下におく投資会社には、違法な集金や使い込みが指摘されていて、29日、警察当局は違法に資金を集めたとして、これまでに容疑者ら234人を逮捕したと発表しました。

 そして、こちらもネットで炎上するなど、中国の人々の関心が高い事件です。

 6月、河北省唐山の串焼き店で撮られた防犯カメラの映像。

 男女9人で来店したグループの男が、若い女性達の1人に“ちょっかい”を出しました。すると…。

 男たちの仲間も加わり、大乱闘に。

 男たちはなぜ、ここまで好き勝手に暴れられたのでしょうか。

 実は、男たちは地区の公安らに賄賂を渡し、後ろ盾になってもらっていた疑いがあるのです。

 しかし、この動画がネットで拡散されると、同様の被害に遭ったとの声とともに、これまで警察は対応してくれなかったとの告発が相次いだのでした。

 批判が高まると警察は、串焼き店で暴行を働いた男女をすぐさま逮捕。

 29日、地元当局は男らの後ろ盾になっていたとして、地区の公安トップら8人を拘束したと発表したのです。

 ちなみに、男女が逮捕された後、これまで泣き寝入りしていた事件を訴える人々で、警察署の窓口には長蛇の列ができました。

 国民の不満に対し、次々と事件を解決していく中国政府。そこには、習近平体制の思惑が透けてみえます。

 中国総局・冨坂範明総局長:「普段は政治にあまり関心がない中国の人も、自分の預金が戻ってこなかったり、身近な女性が暴行されたりといった生活に直結する問題には非常に敏感です。秋の党大会を間近に控えるなか、この2つの事件への対応を強調しているのは、人々の生活を向上させ、安全を守るという習近平政権の姿勢をアピールする狙いがあるとみられる」

 そんななか、習近平体制にとって、思わぬ出来事が起こりました。

 古参の共産党員3人が、習近平国家主席を念頭に、個人崇拝や指導部への権力集中を批判する文書を、中国の人権問題を扱うサイトで公表したのです。

 古参共産党員の文書:「我が国が直面している主要な問題は、党委員会(指導部)の権力が大きくなりすぎたことだ」

 現在、この文書は中国国内から閲覧できなくなっています。

 また、別のサイトによりますと、「3人は厳重な監視下にあり、いつでも身に危険が及ぶ可能性がある」と伝えています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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