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【解説】“ブラック校則”見直しへ 「ツーブロック禁止」「下着の色指定」本当に必要?
教師に向けた生徒指導に関するガイドブックが、約12年ぶりに改訂されることになりました。いわゆる“ブラック校則”の見直しや、初めて「性的マイノリティー」に関する項目が盛り込まれるなど、大きな転換期を迎えそうです。
「“ブラック校則”って?」
「トイレにも変化」
「夏休み明けは注意」
以上の3つのポイントについて、詳しく解説します。
■“ブラック校則”見直しへ 街の人に聞く
文部科学省の有識者会議は26日、小中学校・高校での生徒指導のガイドブックにあたる「生徒指導提要」の改訂案をまとめました。
改訂案では、「学校や地域の状況、社会の変化を踏まえて、校則の意義を適切に説明できないようなものは、本当に必要なのか?」、「校則により、不要に行動が制限される児童生徒がいないか」などを検証します。必要ならば、「校則そのものを見直すことが重要だ」としています。
改訂案によって、時代に合わない理不尽な校則、いわゆる“ブラック校則”も見直すことが求められます。
以前から問題となっていた“ブラック校則”について、街の人にも聞きました。
大学生(21)
「(高校が)ツーブロック禁止で、すぐ学校で直すみたいな。先生がハサミ持ってとかは、多少ありました。(頭髪は)色も見られるし、パーマもダメだし。髪の長さも」
高校生(17)
「(中学校では)ポニーテールはうなじが見えるからダメとか。下着の色は白とか薄い色じゃないとつけたらダメとかありました。黒い色(の下着)だと、白の制服だと透けるのでダメと」
大学生(18)
「(高校が)男子はツーブロックダメで、女子は(髪が)肩についたら、絶対縛る」
■都立高の校則から廃止された5項目とは?
“ブラック校則”は古くから問題になっていましたし、私たち自身も首をかしげながら、学生生活を過ごしていた気がします。意外としぶとく残っているようです。
東京都では今年4月に、全ての都立高校の校則から次の5項目が廃止されました。
・髪を一律に黒く染める
当然、生まれつき髪の色が明るい人もいますが、「黒に染めろ」という指導もあったようなのです。
・ツーブロック禁止
・下着の色指定
・自宅謹慎を行う
・「高校生らしい」等、あいまいな表現での指導
ツーブロックについては、「中学生らしい清潔な髪形にすべきだ」という根拠で、禁止している学校があるということです。
今回、東京都は、教職員や生徒、保護者らが話し合う機会を実際にもって、自分たちで点検した結果、5項目の廃止が決まったということです。
■「学校側に耳を傾ける姿勢は?」専門家が指摘も
今回、文科省によるガイドブックの改訂では、校則そのものの見直しだけではなく、効果的な運用についても触れています。まず、「教職員も子どもも制定された背景・理由をちゃんと理解する」としています。ただ守らせるだけでなく、子どもが納得して、自主的に守ってこそ意味があるということです。
まず、「教職員も子どもも校則が制定された背景・理由をちゃんと理解する」としています。ただ単に守らせるだけではなく、子どもが納得して、自主的に守ってこそ意味があるということです。
そして、「校則を変更する時には、プロセスを明示し、児童・生徒などの意見を聞くことが望ましい」としています。
“ブラック校則”に詳しい専門家からも、今回の改訂については、「『校則を公開することで、さまざまな意見が上がるきっかけ、見直す動きが進むのではないか』と評価する声があります。一方、「校則を決める学校側に、耳を傾ける姿勢があるかどうか。ちゃんと話し合う仕組みが整っているかが重要だ」という指摘もあります。
■自認する性別の制服着用認める 「性的マイノリティー」項目追加も
また今回の改訂で、新たに「性的マイノリティー」の項目も追加されました。配慮・支援の内容も、初めて盛り込まれました。
例えば、「自認する性別の制服・体操着の着用を認める」、「職員・多目的トイレの利用を認める」など、教職員が理解を深め、普段からいじめや差別を許さない指導、人権意識を育てる教育をすることなどが求められています。
■夏休み明け“子どものSOS”見逃さないために…
一方で、夏休みが終わり、新学期が始まる学校も多いと思います。長期休業明けには、「学校に行きたくない」などと、子どもの自殺が増える傾向にあります。
「これまで関心のあったことに興味を失う」、「集中できなくなる」、「身だしなみを気にしなくなる」、「不眠、食欲不振、体重減少などの不調を訴える」など、子どもに現れるサインを見逃さないよう、大人が注意深く見守る必要があります。
また、文部科学省は、子ども向けの相談窓口「24時間子供SOSダイヤル」も紹介しています。
24時間子供SOSダイヤル(通話料無料)
0120ー0ー78310
SNSでの相談先もありますので、迷わず、気軽に相談してみてほしいです。
◇
悲しいニュースを私たちがまたお伝えすることがないよう、本当に大事なことなので、繰り返します。「学校が始まることを考えると、本当に胸が苦しくなる」、「学校に行くことがつらい」。もし、そういう気持ちがあるならば、絶対に無理をしないで、家族以外にも相談にのってくれる人や窓口があります。自分の気持ちを、ゆっくりと落ち着いて話してください。
(2022年8月29日放送「news every. 」より)
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