【メダカ】人気の裏で在来種に絶滅の危機 改良メダカ”放流”で…

【メダカ】人気の裏で在来種に絶滅の危機 改良メダカ”放流”で…

【メダカ】人気の裏で在来種に絶滅の危機 改良メダカ”放流”で…

1匹数万円で取引されるものもあるほど人気となっているメダカですが、深刻な問題が起きています。観賞用の改良メダカが川や用水路などで確認され、在来種のメダカの絶滅が危惧されているのです。

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背中が金色に輝く“黄金のメダカ”に、変わった形の“ぷっくりメダカ”など、都内の専門店で売られていたのは、品種改良された観賞用のいわゆる“改良メダカ”です。

堀切めだか 兵頭秀一店長
「“改良メダカ”と言われるものですね」

その数約100種類。座り込みじっと水槽を見つめていた男性は――

お客さん
「いいのがいれば買おうかと思って。きれいなやつね」

自宅で20種類ほど飼っているといいますが、24日は22匹、1万8500円分の改良メダカを購入しました。

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改良メダカは、そのかわいらしい見た目や飼育のしやすさなどから人気になっています。ところがいま、全国各地の水路などで見つかり、在来種の野生のメダカの絶滅が危惧されているのです。

23日、岐阜・美濃市の水路には、在来種のメダカが泳ぐ中に、透き通った青色の体をした改良メダカの姿がありました。網ですくうと、何匹もの改良メダカが確認できました。

24日、神奈川・小田原市の水路で見つけたのは、在来種のメダカです。

日本魚類学会 瀬能宏会長
「目の前にも一匹」

どんどん集まってきました。しかし、ここでも――

日本魚類学会 瀬能宏会長
「最近はやりの色つきのメダカ(改良メダカ)“外来のメダカ”が見つかることがありまして」

こうした自然にいるはずのない改良メダカはいま、“第3の外来魚”と言われています。

そもそも外来魚とは、外から日本に持ち込まれた魚のことです。日本魚類学会によると、第2の外来魚は「国内外来魚」とも言われ、国内の自然に生息していた地域から別の地域に移されるなどした魚です。そして、人の手で品種改良された改良メダカのような魚が自然に生息してしまったものを、「第3の外来魚」と呼んでいるのです。

「第3の外来魚」と呼ばれる改良メダカはなぜいま、全国各地で見つかっているのでしょうか。

日本魚類学会 瀬能宏会長
「以前から人が飼育しているメダカを、放しちゃっている」

この改良メダカが自然に増えることで、ある問題が起きているといいます。

日本魚類学会 瀬能宏会長
「(在来種のメダカと)交配すると雑種ができるので、純粋な在来種がいなくなってしまう」

もともと在来種のメダカは、2007年に絶滅危惧種として選定されていました。かつては身近にいたメダカが、絶滅の危機にひんしているのです。

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改良メダカの放流をとめようとする動きも、出てきています。

放流禁止を考える会事務局 大場貴保さん
「メダカってすごく数が増えやすいんですよ。最初の10匹はスペースあったけど、改良メダカの100匹はさすがに飼えないよなっていう方々も、いま多くいて」

増えすぎた改良メダカを知らずに放流する人が多いことに危機感を感じ、去年11月から活動を始め、「放流禁止」と書かれたメダカを入れる袋を作り、全国各地の販売店に呼びかけています。

また、この会では、飼えなくなったメダカを無料で引き取っているということです。

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都内の水族館では、在来種のメダカを守ろうとする取り組みが行われています。

葛西臨海水族園では、約400匹の在来種の飼育や繁殖を行っています。東京生まれ、東京育ちだということで…

葛西臨海水族園 木船崇司さん
「『東京メダカ』として飼育しております」

愛称をつけ、幅広い人に知ってもらい、在来種の保全をしていきたいといいます。

葛西臨海水族園 木船崇司さん
「(在来種は)いきなり数を減らして、いなくなるということもあると思います。一度面倒見たものは、最後までお世話していただきたい 」

「飼育をしたら最後まで」一度飼った魚を放流しないよう呼びかけています。
(2022年8月24日放送「news every.」より)

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