入退院の基準見直しも 岸田総理“新たな対策”公表 その狙いは?政治部記者に聞く(2022年1月11日)

入退院の基準見直しも 岸田総理“新たな対策”公表 その狙いは?政治部記者に聞く(2022年1月11日)

入退院の基準見直しも 岸田総理“新たな対策”公表 その狙いは?政治部記者に聞く(2022年1月11日)

岸田総理は11日、オミクロン株の特性も踏まえた新たな新型コロナ対策を公表しました。

ワクチン接種状況は11日時点で、1回目が全人口の79.9%、2回目が78.5%、3回目が0.7%となっています。

岸田総理は、3100万人の高齢者などを対象にする、3回目接種の前倒しについて、自衛隊による大規模接種会場を再び設置するなどして、ペースアップを図っていく考えを示しました。

また、追加で確保した1800万人分のモデルナ製ワクチンを活用し、3月以降から、一般の方の接種数も増やしていくとしています。

これまで対象外だった12歳未満の子どもについても、希望者に対しては、できるだけ早く接種を開始するとしています。

ほかにも、外国人新規入国の原則停止などの水際対策を2月末まで維持することや、ファイザー社の経口薬も2月中の実用化を目指すということです。

さらに、今週末に控える大学入学共通テストでは、本試験も追試験も受けられない受験生が出た場合、個別入試で合否判定するよう各大学に要請することを発表しました。

岸田総理は、入退院基準などについて、現在の基準を緩和していくとも取れる発言をしました。

岸田総理:「国民の症状に応じた的確な医療を提供するため、オミクロン患者の入退院基準などについて、先進諸国の取り組みも参考にしながら、科学的知見の集約を急ぎ進め、対応を示していく」

政治部・山本志門官邸キャップに聞きます。

(Q.入退院の基準を緩和していくともとれる発言には、どんな狙いがありますか)

やはり大きいのは、オミクロン株の重症化リスクが低いという可能性、日本においても傾向が確認されてきたということです。その特性を踏まえて、今後大きく2つ対応を変えることを検討しています。

1つは自宅療養の拡大、もう1つは隔離期間の短縮です。まず今後、無症状者あるいは軽症者に対しては、自宅療養を中心にしていこうと政府は考えています。病院のベッドは重症者や中等症の患者に回していく。それ以外は自宅で、飲み薬などで経過を観察してもらおうとしています。

ただ、これについては、同居する家族の感染が避けられないのではないかという懸念材料は残っています。自民党幹部のなかでも、自宅療養をする人に対して、きちんと飲み薬が届くのかなど、スキーム自体を疑問視する見方も出ているので、慎重にみていく必要があると思います。

もう1つは、社会的なダメージを抑えるための、濃厚接触者に対する14日間の隔離期間の短縮です。オミクロン株の潜伏期間が短いという傾向も出ていることから、14日は長すぎるということで、日数を短縮する方向で検討を進めています。

(Q.これまで打ち出してきた厳しい方針を、岸田総理は少し転換しようとしているのでしょうか)

経済を回す方向に転換しようとしています。感染拡大によって、濃厚接触者も飛躍的に増えていきますので、長期間の隔離を続ければ、それだけ経済を含む社会的な活動がストップしかねません。ここを少しでも解消していこうという方向で、かじを切ろうとしています。

(Q.ただ一方で、沖縄の状況は非常に深刻です。沖縄に対して、政府はどう対応しようとしていますか)

感染拡大に、在日アメリカ軍の影響も指摘されるなかで、官邸内では、沖縄はあくまで特殊なケースとみていて、これを全国に当てはめていくのは違うと考えています。政府高官も「そこは冷静にやっていく必要がある」としています。

沖縄には自衛隊の看護師を送って、医療従事者の確保、あるいは、日米で合意したアメリカ軍関係者の必要不可欠な場合以外の外出の禁止、こういった沖縄への個別的な対応をとって集中的に抑えていこうというのが、現在の政府の考え方です。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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