運転手は真面目“8年無事故”も…専門家が原因“2つ”指摘 名古屋高速でバス横転炎上(2022年8月23日)
名古屋高速でバスが横転し9人が死傷した事故。「バスがふらつきながら走行していた」という目撃情報があることが分かりました。
■「何度も爆発音」近くにGSも
空に向かって、黒煙が激しく立ち上ります。
近隣住民:「パチパチいってる」
愛知県の名古屋高速で起きたバスの横転事故。元の車体の色が分からないほど焼け焦げたバスに、必死の消火活動が続けられます。さらに、バスに追突したとみられる車からも火の手が上がっています。
事故直後の映像では、高速道路上に、炎上するバスから避難した乗客とみられる人々の姿がありました。
事故後、車体から何度も大きな爆発音が上がり、炎上したといいます。
近隣住民:「すごい音がして、4、5回以上鳴った」
警察に通報した人:「何発か爆発して、5~10分で瞬く間に広がっていった状態」
勢いが衰えることなく燃え上がる炎。高架のすぐ下には、ガソリンスタンドがあり、燃え移ることを警戒したのか、消防隊員の姿が確認できます。
撮影した人:「ここに立っているだけでも熱くて。この動画を撮っている間も、ずっと『ボンボン』と。爆発して、ガラスが割れて、巻き込まれたら嫌だなと。動画を撮り終えたら、すぐ下に避難しました」
火が消し止められるまでに、およそ2時間半かかりました。
■“分岐点”激突か…9人死傷
長さも高さもある大きなバスですが、黒く焼け焦げてしまっています。そして、前方右斜め前は大きくへこんでいます。ここが衝突したということなのでしょうか。
バスは、窓ガラスがすべて落ち、骨組みがむき出しになるほど黒く焼け焦げていました。
当時、車内にいた乗客7人と運転手1人のうち、2人の死亡が確認されました。そのうち1人は、55歳のバスの男性運転手とみられています。また、乗客6人と、後ろの乗用車に乗っていた1人が負傷しました。
名古屋市の中心部・栄を出発し、およそ13キロ先の県営名古屋空港を目指していたバス。事故が起きたのは、空港まであと3キロほどの場所でした。
本来、空港に向かう場合、分岐を右に進んで高速を降ります。しかし、バスが横転していたのは、分岐の左側でした。
バスは分離帯に衝突したとみられ、黄色いクッションドラムが大破していました。
■“8年無事故”勤務態度も「真面目」
事故はなぜ起きたのでしょうか。会見を開いた「あおい交通」は、次のようにコメントしました。
あおい交通 野口営業所・松田吉彦運行主任:「正直言って、このような事故に驚いている。一言でいえば、寡黙な運転手。これまでも大きな事故等はなく、特に大きなトラブルもなく運行」
男性運転手は、勤務態度も真面目で、年に2回ある健康診断も問題なし。酒は飲まず、重い持病があったとも聞いていないといいます。
松田運行主任:「運行前に点検をしたり、車内の清掃も人一倍、気を配ってやってくれていた。車をかわいがっているなという印象はあった」
以前いた別のバス会社も含めて運転歴は8年ほど。同じ路線を何度も運転していて、これまで無事故だったといいます。
バスは、5月に車検を通っていて、22日の点検でも問題はなかったということです。
■「過失運転致死傷」疑いで捜査
しかし、気になる目撃情報も出てきています。捜査関係者によりますと、事故直前、バスはふらつきながら走っていたというのです。
松田運行主任:「(Q.事故直前ふらふら運転していたとの話も?)その事実については、確認が取れていない」
専門家は、事故原因について、2つの可能性を指摘します。
元千葉県警 交通事故捜査官・熊谷宗徳氏:「ブレーキ痕も現場に見当たらないので、いきなり横転。出口が右車線で、ギリギリでハンドルを切ってしまった可能性。事故前にふらついていたという目撃証言から、持病がなくても、急な疾患。心疾患や脳疾患が発生した可能性」
警察は、運転に何らかの問題があったとして、過失運転致死傷の疑いで調べる方針です。
(「グッド!モーニング」2022年8月23日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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