「サンダル登山」「高山病」富士山でトラブル続出…救急搬送も 天候急変「足元が…」【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年8月12日)
お盆休みに入った「山の日」の11日、富士山では多くの登山客でにぎわいました。なかには、サンダルなどの軽装で登る人や、天候の急変でトラブルに遭う人もいました。
■娘の10歳記念 家族で初の富士登山
絶好の登山日和を迎えた11日、富士山の5合目には、早朝から多くの家族連れの姿がありました。
大阪から来た家族:「3年ぶりの遠出です。ちょっとでも活動ができるようになってきているので、子どもたちも活動範囲が広がってありがたいです」
先月1日、山梨県側の吉田口登山道が山開きしました。
登山口では、感染対策のため検温や健康確認を実施。体調確認済みの登山者全員にリストバンドを配布します。
広島県から富士登山に訪れた家族。
和之心くん(12):「一応、山頂目指して登るつもりです」「(Q.山頂まで?)目標は高く…」
母・ゆかりさん:「最後まで頑張りますって…」
和之心くん:「最後まで頑張ります」
娘のこうめちゃんが10歳になった記念に、ご来光を見るため頂上を目指す佐藤さん一家。母親のゆかりさん以外、登山が初めてのため、ガイドと一緒に登ります。
こうめちゃん:「登るぞー!えいえいおー!!」
午後1時、登山開始。この日は7合目の山小屋で仮眠し、午後10時に山小屋を出て、山頂を目指す計画です。
ゆっくりとした足取りで登っていく佐藤さん一家。5合目を出たばかりですが、眼下にはすでに絶景が…。
登山開始から、およそ1時間で6合目に到着しました。
荷物を下ろして一休みしていると、目の前を黄色いトラックが…。このトラックは、自力で下山できなくなった人の搬送などに使われているものです。
■子どもが高山病 救急搬送も
11日の富士山。下山途中でのトラブルが相次いでいました。
千葉から来た親子:「(Q.今、下山?)そうですね。ご来光見て、下山してきたところです」
6合目付近で座り込んでいた親子。女の子はうつむいたまま、顔色が優れません。初めての富士登山となる娘(12)とともに7合目まで登ったものの、そこで高山病にかかってしまったといいます。
千葉から来た親子:「嘔吐(おうと)もひどかったし、全部戻しちゃって」「(Q.7合目は、夜何時くらいに着いた?)夜11時くらいから4時くらいまで(待機した)。崖が多いので、暗いと危ないかなと」
夜道の下山は危険との判断から、7合目で待機。日が昇ってから下山してきたといいます。
転びそうになりながらも、ゆっくり下山していた親子も。
東京から来た親子:「結構、登ったんですけど、高山病と低体温症みたいな症状で。疲れちゃって大変だったんで」
実はこの親子、前の日の取材中も話を聞いていました。
東京から来た親子:「登りながら、ご来光を見て。余裕があれば、お鉢回りして。あしたのうちに下山して帰る」
父と手をつなぎ、元気に登って行きましたが、1泊し、頂上を目指す途中に、娘(9)が高山病と低体温症に。諦めて、下山したといいます。
そんななか、救急車が出動する事態がありました。
登山客が重い高山病にかかって動けなくなり、救助用のダンプに乗せられて下山。救急車で病院へ搬送されました。診察した8合目救護所の医師は、次のように話しました。
8合目救護所・近藤尚己医師:「息苦しさとかで顔が真っ青になって。ちょっと、自力での下山が相当厳しい状況だったので」
■“サンダル”登山…天気急変で「足元が」
富士山では、軽装の登山者も多く見られます。
スニーカーでジーパン姿、トートバッグを片手に、砂利が多く滑りやすい急斜面を登っていく男性2人組。30分後、スニーカーでは登れないと判断したのか、足元をふらつかせながら、あえなく下山しました。
8合目まで登って、下りてきたという中国人の男性。
8合目まで登った中国人の男性:「足が痛いですね…」
足元を見ると、素足にサンダルです。
中国人の男性:「滑りますね。最初はちょっと怖いけど、慣れたら大丈夫」
頂上まで登るつもりでいましたが、長袖を持ってきておらず、寒さのために断念したといいます。
中国人の男性:「もう1回来る時は、一番上まで頑張る。ジャンパーとか準備して、一番上に行きたい」
山の天候は変わりやすいため、こんな登山者もいました。
東京から来た家族:「ビショビショでしたね。タオルもないし。足元こんなになっちゃうし」
富士山の天気が、夕方になって急変。親子はレインウェアを持ってきていませんでした。
東京から来た家族:「楽しい日だと思ったのに、急に雨が降ってきて、残念な日だと思いました」「家族で登るの初めてなので、雨も含めていい経験になったと思います」
■山小屋に変化 様々な感染対策施す
こまめに休憩を入れながら山頂目指して登山を続ける佐藤さん一家。
順調な登山に思えましたが、10歳のこうめちゃんに異変が…。登山道で座り込んでしまいました。
こうめちゃんだけでなく、長男の和之心くんも疲れて重い足取りに…。
上り始めてから3時間余り。午後4時半に、宿泊先の山小屋に到着しました。
こうめちゃん:「(Q.疲れちゃった?)うん。寝たら治ります」「(Q.じゃあ、またあしただね)うん」
山頂への出発は午後10時。5時間ほどしか休憩できませんが、食事を済ませ、仮眠をして体力の回復を図ります。
行動制限のない今年、富士山の各山小屋では、様々な変化があります。
鎌岩館スタッフ:「こちらはですね、もともと大部屋といって、相部屋だったんですけど。お一人様ずつカーテンで仕切らせてもらって。これも特殊な素材、抗ウイルスカーテンで対応しています」
山小屋「鎌岩館」では、収容人数をコロナ前の半分に減らして営業しているということです。
換気扇や空気清浄機を設置したり、新たに個室を新設したりするなど、感染対策に力を入れています。
鎌岩館スタッフ:「コロナ禍前ほどではないんですけど、今年はおかげさまで登山者が戻ってきているかなと感じている」
■初登山家族 頂上直前…ご来光は?
午後10時。真っ暗な中、佐藤さん一家が山頂へ出発しました。
この時の富士山山頂の気温は6.7℃。寒さと疲れからか、思うように体が動きません。
和之心くん:「これ(1枚羽織る)だけでも、だいぶ温度が違う」
暗闇の中、岩場が続く登山道。
ご来光までは、あと7時間。5分おきに休憩して温かいものを飲みながら山頂へ向かいます。
父・和広さん:「きっと寝不足からくる疲れもあるのかな。そのおかげで慌てず、ゆっくり登ってこられている」
しかし、8合目付近で、こうめちゃんの様子に変化が…。頭痛と吐き気を訴え、動けなくなってしまいました。
和之心くん:「皆、飴なめる?その前に、お茶飲もう」
母・ゆかりさん:「お茶あげて、こっちにあるよ」
お茶を飲んで、何とか動けるようになった、こうめちゃん。
山頂まで残り300メートル余り。無事頂上にたどり着けるのでしょうか?
山小屋を出てから、歩くこと6時間。ついに、その時が訪れます。
こうめちゃん:「全部登りました。登り切りました」
午前5時。山頂まで頑張ったご褒美、ご来光が顔を出しました。
和之心くん:「自分で歩いたから、日の出もより一層きれいに見えました」
こうめちゃん:「最後まで頑張れて良かった」
母・ゆかりさん:「やればできるというのが、本当にうれしい」
父・和広さん:「4人で登って来られて。あんなきれいなご来光を見られたのは、この先、全部運を使ってしまったような。良い一日になりました」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年8月12日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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