「阿波おどり」3年ぶり“最大規模”で開催 「総踊り」復活も…コロナで参加見送り(2022年8月12日)
400年を超える歴史を持つ徳島の夏の風物詩「阿波おどり」。運営を巡るトラブルやコロナによる中止を乗り越え、12日から3年ぶりに屋内で観客を入れて本格的に開催されます。
■「総踊り」…赤字・台風・コロナが翻弄
しなやかな女踊りに。激しく乱舞する男踊り。
徳島の夏を彩る「阿波おどり」。12日の開幕を前に、11日に「前夜祭」が行われ、およそ500人の踊り手が会場を盛り上げました。3年ぶりの本格開催となる今年。ここまでには、長い道のりがありました。
およそ1500人が一糸乱れぬ踊りを披露する「総踊り」。そんな祭りのフィナーレを巡り、トラブルが表面化したのは5年前のことです。
問題となったのは、元の主催者である徳島市観光協会が2017年までに抱えた4億3600万円にも及ぶ累積赤字です。
そこで2018年、徳島市などで作る「実行委員会」に主催者が交代。赤字を解消するため、演出を変えることに。対象となったのが、大勢の人が楽しみにしていた「総踊り」でした。
徳島市・遠藤彰良市長(当時):「今年は(総踊りを)やらないというのは、委員全員で共有したところ」
本番2カ月前に決定した総踊りの中止に対し、有名踊り手団体の4割を束ねる「阿波おどり振興協会」は“相談のない、一方的な決定には従えない”と猛反発しました。
阿波おどり振興協会・山田実理事長:「観客の声援に支えられて(総踊りは)やります!やりますよ!」「(Q.市長が何と言っても?)やるやる!関係ないわ。祭りは自分たちが決めてやる」
市の中止要請を振り切り、振興協会による総踊りは実行されました。
2018年は、大混乱のうちに幕を閉じました。
翌年からは収支の責任を明確化させるため、阿波おどりの企画運営を民間の事業者に委託。新たな形で再スタートを切りますが、台風の影響で後半の2日間が中止に。さらに、2020年は新型コロナウイルスで、戦後初めて全日程が取りやめになりました。
去年は開催されはしましたが、踊り手を県内在住者に限定するなど、日程や規模が縮小されました。
■「総踊り」復活も…コロナで参加見送り
今年はどうするのか?開催に向けて、阿波おどりの規模を決める会合が先月26日、開かれました。新型コロナの感染急拡大を受け、会場の一部を縮小する案が持ち上がりました。しかし…。
阿波おどり振興協会・山田実理事長:「僕らは本音で言わせて頂くと、今の状況下ではA案(最大規模案)そのままで実施してもらいたいというのが本音」
会合で縮小案に反対が相次いだこともあり、開催まで2週間と迫った先月30日、想定した最大規模での開催が決定。「総踊り」も行われることに。ところが…。
阿波天狗・池淵氏信連長:「8月入ったぐらいまでは(練習は)やっていた。ただ、これ以上行くと逆に運営している方に迷惑が掛かるなということで。1日でも早い日に連絡したほうがいいなということで、(出場)辞退を決定した」
こう話すのは、今月に入って阿波おどりへの参加を見送った「阿波天狗」の代表者。3年ぶりの参加に向け、準備を進めてきましたが、コロナの影響でメンバーも30人程度から半減しました。
阿波天狗・池淵氏信連長:「30人いた場合は、誰かが休んだ場合に誰かがその踊りを覚えていて代わりに踊るというスタイルでずっとやってきたが。今回みたいに人が減ってしまうと、どうしても補欠というのができなくなって」
■「徳島の夏が来た」15日まで開催
様々なトラブルの末、11日に開催された前夜祭。踊り手たちがステージを所狭しと躍動しました。
観客:「徳島の夏が来たなって感じ。いい感じ」
参加した踊り手:「感染対策もしながらだが、今まで会えていなかった踊りのメンバーに会えて、一体感のある踊りが作れていくのがすごく楽しかった。待ち遠しかった」
会場によっては座席の数を制限したり、踊り手の間隔を広げたりするなど、感染対策を徹底し、日本有数の夏祭りが12日から15日まで行われます。
(「グッド!モーニング」2022年8月12日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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