組閣当日に…“旧統一教会”が会見　名称変更の経緯明かす　政治と関係は(2022年8月10日)

組閣当日に…“旧統一教会”が会見　名称変更の経緯明かす　政治と関係は(2022年8月10日)

　旧統一教会との関係を認めた閣僚を交代させた第2次岸田改造内閣が10日午後、発足しました。同じころ、旧統一教会の田中会長が会見を行いました。政治との関係性、そして山上容疑者の母親への言及はあったのでしょうか。

　あの銃撃から2度目の会見で語られたこと。

　世界平和統一家庭連合・田中富広会長：「深くおわび申し上げます」

　くしくも10日、旧統一教会との関係を認めた閣僚7人を交代させた第2次岸田改造内閣が発足。5人が再入閣となる手堅い布陣。

　去年、総裁選を争った河野太郎氏はデジタル大臣に。高市早苗氏は、経済安全保障担当大臣に起用しました。

　ただ、就任後の10日になり、旧統一教会との接点を明らかにした人もいます。

　留任・山際大志郎経済再生担当大臣：「2018年10月のアフリカビジョンセミナーへの出席が確認されました。また、2013年に関連団体への会費支出について確認された」「（Q.総理は事実をご存じ？）それは総理に聞いて頂かないと分かりません」

　それも一人ではありません。

　初入閣・寺田稔総務大臣：「結果的に（会合に）行けなかったが会費だけは確かにお支払いした」

　再入閣・加藤勝信厚生労働大臣：「懇親会費を持参したが秘書は参加していない」

　偶然なのでしょうか。同じ日に行われた会見。

　世界平和統一家庭連合・田中富広会長：「犯人とされる容疑者が当法人『家庭連合』への恨みを動機として行動に出たという報道に触れ、私共もとても心重く受け止めております。社会の皆様にも様々にお騒がせしていることに深くおわび申し上げます」

　最初に語られたのは事件についての謝罪です。その後、2009年以降はトラブルは減ったと主張しています。

　世界平和統一家庭連合・田中富広会長：「過去においても現在も当法人が行ったことはありませんし、信徒らに対しては特に2009年以降、当法人は社会的法的に問題と指摘される行為をしないようコンプライアンスの徹底に努めております。安倍政権時代の2018年に消費者契約法の改正で霊感商法の言葉も盛り込まれて霊感商法と認定されたものはいつでも取り消すことができるようになっています。しかしながら上記コンプライアンスの徹底により、霊感商法と称される類のものは当法人の信徒において行われていませんし、被害報告もありません」

　前回の会見では否定した“組織としての”政治とのかかわり。ただ、その後、次々とそのつながりが明らかになってきました。

　岸前防衛大臣（先月26日）：「選挙の際もお手伝いをいただいている」
　野田前少子化担当大臣（2日）：「祝電と当時秘書が代理で出席した」
　山口前環境大臣（8日）：「今後は気を付けたい」

　前回の説明と変わったところもあります。

　世界平和統一家庭連合・田中富広会長：「政治に友好団体が強く姿勢を持って関わってきたことは事実です。それは政治工作のために関わってきたとか脱税や霊感商法の批判から逃れるために関わってきたということではありません。日本は宗教団体、並びにそこに所属する信徒の者たちも国の政治にかかわり、そして選挙に関わっていくことは国民の義務であると理解していますし憲法で保障されていると思う。選挙に関しては『平和連合』という友好団体がございますので、『平和連合』の方がむしろ国政と関わっている度合いが大きいので、そこから願われる内容に信徒たちも応えていくように努めていると思います」

　2015年、世界平和統一家庭連合へと名称が変更された件。政治的な力が働いたという証言もありますが…。

　世界平和統一家庭連合・田中富広会長：「悪いイメージを隠すために名称変更をしたといわば正体隠しの手段として名称を変更したかのように報じられています。この名称変更の当法人、規則認証に関する政治的圧力や介入があったかのような一方的な臆測報道がされていますが事実ではありません。確かに当初、当法人が名称変更の相談を持ち掛けた当時の文化庁、いわゆる主務官庁は名称変更に難色を示し規則変更認証申請をしないよう当法人を説得してきました。しかしながら、宗教法人がいかなる名称を名乗るかは信教の自由により、憲法上保障されており、法律上、宗教法人の名称変更に関わる規則変更認証は法律の定める要件と手続きを踏めば変更しようとする事項が法令に反するなどの例外的な事由がない限り主務官庁はこれを認証すべき義務を負わされています」

　元信者は、この会見をどう見たのでしょうか。

　元信者・金沢大学、仲正昌樹教授：「公式な会見で記者の人たちが知りたいことをしゃべっていない印象を受けた」

　元信者で現在、金沢大学で教授を務める仲正氏。

　元信者・金沢大学、仲正昌樹教授：「宗教団体であれば世の中のイメージとしては自分たちに少しでも非があったら非があるように一般の人に思われたらそれだけで申し訳ないという態度を示さないといけないのに、それが感じられなくて普通の企業とかの会見と同じようなふうになってしまって旧統一教会にとっても結果的にマイナスなんじゃないかと。（元信者の）私が納得いかないぐらいだから、旧統一教会をうさん臭いと思っている人は余計に何かを隠してるなと思う」

　自民党は「関係を点検し、適正に見直すよう」文書で通達しています。

　自民党・萩生田政調会長：「これだけ社会的な問題になっているわけですから、団体としての付き合いは党の方針をのっとってこれは当然、我々として一線を画していくと決めたわけです」

　その一方で、旧統一教会との関係が新閣僚にも相次いで発覚しています。新たな火種はどこまで広がるのでしょうか。
[テレ朝ｎｅｗｓ] https://news.tv-asahi.co.jp/a>