秋田・三種川が氾濫 川岸、道路が崩落、家の中も水浸し…なぜ降りやまない?(2022年8月10日)

秋田・三種川が氾濫 川岸、道路が崩落、家の中も水浸し…なぜ降りやまない?(2022年8月10日)

秋田・三種川が氾濫 川岸、道路が崩落、家の中も水浸し…なぜ降りやまない?(2022年8月10日)

https://www.youtube.com/watch?v=9NIaEiOzZFU

 各地で記録的な大雨が続いています。今度は、秋田県三種町に「緊急安全確保」が発表されました。町内を流れる三種川が氾濫しました。直ちに命を守る行動をとって下さい。

 秋田県は10日午後、秋田県北西部を流れる三種川が氾濫したと発表。三種町に警戒レベルのうち最も高い「レベル5」にあたる避難情報「緊急安全確保」を出しました。

 三種町の近くでは10日なって雨が強まり、1時間に59ミリの今年一番の非常に激しい雨になっていました。

 10日午前10時の五所川原市です。道路が冠水し、一面、湖のようになっていました。そのなかをボートで高齢者が救助されていきます。消防に連絡したものの、時間がかかるため、レジャーボートを買いにいって1時間かけて救助したといいます。

 何より異例なのは、青森ではこの雨がまだ1週間ほど続くこと…。記録的な大雨となった青森県鯵ケ沢町では…。

 住民:「(Q.普段の流れは?)普段は浅いよ。ちょっとまだ危ないわな」

 ぐにゃりと曲がった線路。ここはJR五能線の線路です。中村川の上に線路がかかっていて、その水位はかなり低かったことが分かります。JR五能線は、能代駅と弘前駅間で11日も終日運転を見合わせます。

 9日に氾濫危険水位を超えた中村川、普段の様子と比べると、橋の近くまで水位が上がっているのが分かります。

 近所の人:「(Q.来てみてどう?)びっくりしたなー。去年修理したけど…それ以上に雨の力がすごいんだってね」「何回も水害があって、護岸工事して良くなったなって、ここ何十年かそれで生活していた」

 青森県河川砂防課によると、中村川の拡幅工事は2007年から行われていて、この大雨は予想外だったと話しています。

 青森県鰺ケ沢町では9日から雨が強まり、24時間に降った雨が200ミリを超え、観測史上1位の大雨となっていました。

 中村川の周辺は通行止めになっている所も。町内のショッピングセンターは冠水。スタッフが手作業で掃除していました。

 ショッピングセンターパル・市前孝志さん:「全部捨てるんだそうです。臭いから何から…保険適用になるか確認していないけど」

 町内のドラッグストアも水浸しです。町によると、鰺ケ沢町では少なくとも445世帯が浸水被害を受けています。

 雨のなか、後片付けを進めます。

 住人:「冷蔵庫倒れてるし物が散乱してるし」

 住宅のなかは、足の踏み場もないほどになっていて、畳もめくれ上がっていました。

 牛乳の販売店は冷凍庫も流されたということです。

 店員:「(冷蔵庫が)直るまでしばらく休まないといけないですよね。全部だめだと商売を考えないといけない」

 また、青森県弘前市では…。道路の片側1車線が大きく崩落、電柱も一緒にすべり落ちています。

 県内では、1万1000軒以上が停電しています。

 市内を流れる岩木川水系の相内川は濁流となり、背の高い木が何本も倒れ、流れをせき止めていました。

 9日に氾濫危険水位を超えた岩木川…。一日経った10日朝も水位が高いままです。木々が水の勢いでなぎ倒されているのが分かります。

 今回の雨は、農作物に大きな影響を与えています。

 秋田県鹿角市では来月に収穫を控えたモモの木が折れてしまったそうです。

 モモ農家・山本喜代宏さん:「(木が)弱くなってた私の油断だ…」

 市内の米代川は9日からの雨で、川幅が倍になっていました。

 北秋田市では、24時間に降った雨が176.5ミリと8月観測史上1位の雨が降っていました。

 秋田県内では、北秋田市や鹿角市に土砂災害警戒情報が出されています。

 連日、各地に深い爪痕を残す災害級の大雨。なぜ東北地方で雨が降りやすくなっているのでしょうか。

 気象予報士・今村涼子:「暖かくて湿った空気が継続して流れ込んでいるために長い間、雨雲が発達しやすいという状況になっています。今回の前線は南から強まってきた太平洋高気圧と北から流れ込んできている寒気の間でできている前線、この2つの強さが変わらない状況で北日本を境にして拮抗(きっこう)しているような状況。太平洋高気圧と寒気に挟まれて前線が動けないという状況でちょうど東北あたりに停滞しやすくなっている」

 この長く停滞する前線の影響で、青森県深浦町では24時間雨量が325ミリ、弘前市付近では259ミリとなるなど、観測史上1位の記録が続出しています。

 気象予報士・今村涼子:「8月1日からきょうまでに降った総雨量を見てみると、平年の5倍以上という所も多くて、なかには青森県の深浦500ミリを超えて平年の10倍くらいの量になっている。それだけの雨が今地盤に染み込んでいるので、地盤の緩みも過去にないほど緩んでいるようなことが考えられるし、また、土も水分を含める許容量が限界を超えているような所があると考えられる」

 午後になって秋田県内では再び局地的に激しい雨が降り、三種町では警戒レベルのうち最も高いレベル5にあたる避難情報「緊急安全確保」も出ています。

 気象予報士・今村涼子:「これまでは西日本まででとどまっていたような熱帯育ちの空気が今、東北にまで流れ込んできているような状況が今出てきていますので、本当に自分がいる場所が安全なのかということを意識して、例えば気になったら気象庁のキキクルで土砂災害や川の洪水の危険度などをチェックする。地方自治体の情報にも敏感になっておくことが大事か」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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