「疫病で腐る…もうダメ」収穫目前に…大雨でリンゴ農園が浸水 生産量減に懸念も(2022年8月9日)
東北では9日朝から災害級の大雨となり、各地で浸水や冠水が相次ぎました。現在、青森県弘前市には「緊急安全確保」が出されています。周りの方と声を掛け合って直ちに命を守る行動を取って下さい。
勢いよく流れ出す泥水。道路には石も落ちてきています。よけるようにして車が通り過ぎていきます。
青森県深浦町。9日午前7時と午後2時にそれぞれ記録的短時間大雨情報が出されました。周辺では猛烈な雨が降ったとみられます。
9日は深浦町や弘前市などで未明から前線の活発な雨雲が掛かり、弘前市では12時間雨量が観測史上1位を記録。半日で8月、一月分の雨が降りました。
弘前市では岩木川が氾濫する恐れがあるとして、およそ5万人に警戒レベル5の緊急安全確保が出されました。
朝から水かさが増していた岩木川。心配そうに川の様子をのぞいていた男性は途方に暮れています。
時間を追うごとに水かさが増し、午後0時半を過ぎたころ、氾濫危険水位に達しました。
大雨の被害が甚大なのはリンゴです。青森県は全国の生産量の半分以上を占める日本一のリンゴ産地。ところが、大雨がリンゴ農園に流れ込み大きな池のようになっています。
10月に収穫を控えていたリンゴが無残にも…。
田村農園・田村英昭さん:「こういうやつは全然ものにならない」「(Q.なぜ腐ってしまう?)疫病」「リンゴが腐っちゃうんだよ。このリンゴはだめ、普通のところには販売できない。このリンゴは」
9日の午前中に雨が降りしきるなか、REDAPPLE赤石農園ではリンゴの収穫を行ったといいます。
REDAPPLE赤石農園・平山慎さん:「何日か後に収穫予定だった『恋空』という品種を前倒しで雨の被害が出る前にきょう、午前中に収穫した。1週間ほど前にもこのような雨が降って、近隣農家の畑が川の氾濫でリンゴの木がつかった」
真っ赤な太陽を思わせる恋空という品種。本来の収穫時期は12日ごろでしたが、大雨の被害を受ける前に出荷することに。糖度や食味に問題はないと判断し、およそ7000個2トン分のリンゴを収穫しました。
REDAPPLE赤石農園・平山慎さん:「今からこの雨が強くなって、リンゴに影響して、キズものとしてしか販売できなくなってしまうのであれば、多少早くなってでも作業内容を変えてでも今、安全なうちに収穫してしまった方が良いと思った。これ以上、雨が続いて、私たちだけでなく青森県弘前市のリンゴ農家がこれ以上、被害を受けないことを願うばかりだが、何よりも自分たちの命が最優先だと思うので、それだけを優先して行動してもらえればと思う」
心配なのは今後の影響です。増水した岩木川の調査に来た青森県りんご協会は、県内のリンゴの生産量が減ってしまうことを懸念しています。
青森県りんご協会・小野充貴さん:「正直なところ、冠水してしまった果実に関しては、木の上で腐っていく一方になってしまう。いくら洗っても防ぎ切れない部分が出てきて、それらは商品としては出せない。天気予報を見ても週末くらいまで雨が続くのかなと、できる限り早く雨が上がってくれるのを祈るばかり」
来週にかけても青森県には前線が居座り、雨の出口はまだ先となりそうです。地盤がより緩くなり、さらなる災害の恐れもあるため警戒が必要です。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
コメントを書く