【新型出生前検査】新たな運用開始 “サポート体制”に課題も

【新型出生前検査】新たな運用開始 “サポート体制”に課題も

【新型出生前検査】新たな運用開始 “サポート体制”に課題も

妊婦の血液を調べ、お腹の中の赤ちゃんの病気の可能性を調べる「新型出生前検査(=NIPT)」。7月から認証施設が全都道府県に設置され、新たな運用が始まりました。しかし、検査前から検査後、出産後の育児までサポートできる体制が求められる中、課題もあるということです。

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横浜市で、一家4人で暮らす八巻香保里さん。二女の青色ちゃんは、21番染色体が通常より1本多い先天性の疾患、ダウン症です。心臓の疾患もあり、生後まもなく大きな手術を受けました。

八巻さんは出産直前の羊水検査で、お腹の子の障害を知り、最初は恐怖を感じたといいます。

八巻香保里さん
「今までずっと動いたりして、ずっとかわいくて、いとしくてみたいなのが、陽性って聞いた瞬間にすごく怖くなったのを覚えています」

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生まれてくる子の障害の可能性を、妊娠中に知ることの重み。7月、この出生前の検査をめぐり新たな動きがありました。

東京女子医科大学病院 松尾真理医師
「今回の結果は18番(染色体)が陽性です」。

「新型出生前検査(=NIPT)」とは、妊婦の血液を調べ、お腹の中の赤ちゃんのダウン症などの要因となる3つの染色体異常を調べる検査です。7月から、新たに作られた指針に基づき指定された169の「認証施設」で運用が始まりました。

NIPTは、検査で陽性となり中絶する人もいることから、命の選別にもつながるとも言われています。認証施設の1つである東京女子医科大学病院では、検査前に、必ず夫婦で専門のカウンセリングを受け、陽性になった場合の対応を考えてもらうといいます。

東京女子医科大学病院 松尾真理医師
「実際、陽性が手元に結果として出たときに、どういうふうに対応しようかということを、いったん予期するということをするので、実際(陽性の)結果が出た時に、あまりパニックになったりとか、つらくなりすぎるということを防ぐ」

NIPTの認証施設の条件は、「産婦人科医、小児科医がともに勤務していること」「専門医が検査の前後にカウンセリングし、相談や支援が行えること」などです。一方、美容外科などの未認証の施設では、検査結果をメールなどで伝えるだけで、カウンセリングやその後の支援がない場合も多いのです。

八巻さんも、病院の紹介でダウン症の子と暮らす人の話を聞くなどして、不安が少しずつ解消されたといいます。

八巻さん
「ざっくばらんに話してくれたから、『ダウン症だからって競争するところから脱出できるわけじゃないんだよね』みたいな。『ダウン症の中でも比べるし、ある程度できる子だったら健常児とも比べちゃうし、ということは普通に生活するってことだから』みたいな。『そんなに変わらないよ』って言われて」

「病院側が話してくれないと、怖くて産めないかもとは思います」

病院や周囲の人に相談できる環境が大切だったと言います。

5歳となった青色ちゃんは、来年から、姉と同じ小学校に通う予定です。

八巻さん
「青色に会えたことはすごいよかった。居づらい場所もあるんですけど、居やすい場所を提供してくれようとする人もいっぱいいるし、私もその一員になりたいし。私にとっては、より豊かな生活になった気がします」

採血だけで簡単に受けられるNIPT。検査前から検査後、出産後の育児までサポートできる体制が求められています。
(2022年7月25日放送「news every.」より)

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