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「文化はアイデンティティーを守る一番の道具だ」カンヌ映画祭に参加したウクライナ人監督の思い【ロングインタビュー】
5月に開催されたカンヌ国際映画祭。レッドカーペットではロシアによる侵攻を「ジェノサイド」(大量虐殺)と非難するよう、呼びかける人たちの姿がありました。
その中心にいたのはウクライナのマクシム・ナコネッチニィ監督。
JNNの単独インタビューに応じたナコネッチニィ監督に作品に込めた思いと いまもなおウクライナで撮影を続ける理由を聞きました。
ーーまず カンヌに来られたことをどう感じていますか?
「私たちにとって重要な可能性だと感じています。ウクライナの映画製作者のコミュニティの一員として、ウクライナのアーティストとして、国際的に高い注目を集める場で発言ができるのですから」
ーーウクライナを出て、このような平和な場所にいるのは違和感はありますか?
「全く異なる状況だと予測はしていました。違いに圧倒されるとさえ思っていました。でも実際には、普通の生活が営まれる様子を見ることができて本当に嬉しかったです。本来あるべき姿を思い出させられたと言いましょうか。そして私たちにもいずれ日常が戻ってくるという希望をもたらしてくれました」
ある視点部門に出品されたナコネッチニィ監督の「Butterfly Vision」。今回の侵攻より前に起きていたウクライナ東部・ドンバス地方の紛争に参加した女性兵の物語です。親ロシア派武装勢力に拘束され性的暴行を受けた女性兵士は解放後に妊娠が発覚。その後の人生をどう歩むのか揺れ動く姿を描いています。
ーー戦争での性暴力をテーマを選んだわけは?
「(性暴力は)私たちのアイデンティティを壊すため敵が使う数ある道具の一つにすぎません。尊厳を破壊しウクライナ人であることに恐怖を感じさせるためのものなのです。そして残念なことにそれが続くことも想像ができました」
「銃撃や砲撃だけが戦争ではありません。戦争は戦地以外のいたるところにあるのです。だから私はそのような経験を持つ人の言葉に注意を払い 耳を傾ける必要があるのです」
映画祭が終わればキーウに戻り撮影を続けるといいます。その理由は?
「どんなことが起きようと いまを記録しないといけません。のちに顧みることができるように」
「文化が戦争に対して何ができるのか。文化は生き延びて残ることができるのです。そして再建することができるのです『砲声ひびくとき、詩神の声途絶え』といえども詩神はなおそこにいるのです」
「私たちのアイデンティティーが脅威にさらされているときこそ文化はそれを守り、生かし続けそして成長させるための 一番の道具になるのです」
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