コロナ後遺症の倦怠感など 認知症治療薬に効果期待(2022年7月23日)
新型コロナ後遺症の倦怠(けんたい)感とうつの症状について、動物実験の結果、その原因を突き止め治療に期待できる薬が明らかになったと東京慈恵会医科大学の研究グループが発表しました。
東京慈恵会医科大学・近藤一博教授:「新型コロナウイルスが鼻の奥にある嗅球(きゅうきゅう)という部分を攻撃することにより、脳内のアセチルコリンという神経伝達物質が減って、脳が非常に炎症しやすくなる状態になることを見つけました」
慈恵医大の近藤教授のグループは、コロナ後遺症の倦怠感やうつの症状を持つ研究用マウスを生み出すことに初めて成功し、脳に起きている異常について調べました。
近藤教授によりますと、鼻の奥にあるにおいを検知する「嗅球」という脳の一部に損傷が見られたほか、脳全体にも炎症が起きていました。
嗅球とつながる脳の組織では本来、「アセチルコリン」という脳の炎症などを抑制する神経伝達物質が活発に作られますが、その活動が大幅に低下していることが分かったということです。
そこで、認知症の治療薬として使われている「ドネペジル」というアセチルコリンの濃度を高める薬をマウスに投与したところ、脳の炎症が改善し、倦怠感やうつの症状がなくなったとしています。
東京慈恵会医科大学・近藤一博教授:「ドネペジルというのは、安全性が確認されている薬なので。LongCOVID(コロナ後遺症)に効くかどうかの治験は、すごくやりやすい」
今年秋から人に対する臨床試験が行われる予定で、近藤教授は「ドネペジル」による後遺症治療について、実用化を目指したいとしています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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