「安い国」ニッポンの現実 “不動産”東南アジア・中東から依頼急増(2022年7月7日)

「安い国」ニッポンの現実 “不動産”東南アジア・中東から依頼急増(2022年7月7日)

「安い国」ニッポンの現実 “不動産”東南アジア・中東から依頼急増(2022年7月7日)

 円安の影響で海外からは「日本は安くてお買い得」とみられていて、不動産やゴルフ場が次々と買収されている実態を取材しました。

 東京・新宿。中古物件の下見に向かうのは、外国人専門の不動産会社です。

 株式会社日本エイジェントwagayaJapan・草薙匡寛ゼネラルマネージャー:「海外にいる投資家さんなんですけども、投資物件を購入したいというご要望を頂いていて」

 海外からの投資依頼にある変化が起きていました。

 株式会社日本エイジェントwagayaJapan・草薙匡寛ゼネラルマネージャー:「インド・スリランカ・タイ・クウェート。こういった国からの反響が今、増えてきていますね」

 今月、日本で初めての投資を依頼してきたのは…。

 49歳のインド人・カナンさん。日本から輸入した建設機材を、インド国内で販売する経営者です。

 投資資金は700万円。東京など都市部の1K物件を探していると言います。

 日本への投資を希望するカナンさん:「為替レートが円安ですから、私にとって好都合ですね。今、入手できる物件にすぐ投資したいです。700万は少額だと思いますが、日本への投資が良いことが分かったら、投資額を増やすのは確実です」

 この不動産店では、これまで中国や香港・台湾などからの投資が大半を占めていましたが、今年に入り、これまで少なかった東南アジアや中東などからの投資が急増。半数近くに及んでいます。

 株式会社日本エイジェントwagayaJapan・草薙匡寛ゼネラルマネージャー:「割安で買えるぞっていうイメージを、国外の投資家さんも持っていると思う」

 国内では物価高と言われ、生活に影響が出る一方、海外からは“安い国”と見られる日本。

 諸外国は物価上昇に伴い、賃金も上がってきましたが、日本の賃金上昇率の低さは際立っています。

 例えば、2020年までの30年間でアメリカはおよそ300万円、年収が増えているのに対し、日本は22万円にとどまっています。

 さらに、日本の平均賃金は7年前に韓国に抜かれ、差が開く一方です。

 その韓国は今、日本のゴルフ場に熱い視線を送っています。

 30年近くの歴史がある、栃木県矢板市のゴルフ場。

 メイフラワーゴルフクラブ・郭建旭総支配人:「オーナーさんは韓国人です。日本で投資してますね」

 ゴルフ場のレストランで人気なのは韓国の家庭料理。

 3年前に韓国企業が買収し、経営のかじ取りを行っています。

 さらに、韓国人のオーナーは、新たに首都圏で割安なゴルフ場を探しています。

 メイフラワーゴルフクラブ・郭建旭総支配人:「(ゴルフのプレー料金が)日本は安い、韓国は高い。(韓国のプレー料金は)日本円で3万円くらい。うちは平日7900円、週末は1万5000円ですね」

 今、韓国では空前のゴルフブーム。コロナ禍で密を避けられることもあり、ゴルフを始める人が増えたことで、プレー代金が高騰しているのです。

 さらに、円安-ウォン高の影響もあり、日本でゴルフをする人が増えることに期待が高まっています。

 ゴルフ場の売買を仲介する不動産会社は、日本と韓国の違いをこう指摘します。

 ゴルフ場の売買仲介を行う不動産会社・鄭用文代表:「日本のゴルフ場は運営が厳しいんですね。そういう地方のゴルフ場を買収して、韓国のゴルフのお客さんを誘致して、収益を改善する。そういう戦略を持って買収したいというお客さんが多いですね」

 ソウル近郊のゴルフ場の相場はおよそ180億円。日本の18倍以上になっていると言います。

 28年前に来日したチョンさん。これまで日本で生活をするなかで、賃金が上がらない現実を肌で感じてきました

 ゴルフ場の売買仲介を行う不動産会社・鄭用文代表:「最初の給料は私、ソウルで4万7000円くらいだったんですね。その時うちの(日本人の)事務員の女の人が18万円だった。でも今は(韓国の給料は)それより多いか、同じくらいだと思います。日本は変わってないですね、ずーっと」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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