“第7波”か 感染者の過去最多が全国で続出 ワクチン効果減少?“BA.5”懸念(2022年7月6日)
全国的にも相次ぐ感染の再拡大。夏休みが目前に迫るなか、各地で今何が起きているのでしょうか。
東京・新橋のPCR検査センター。「第7波」の波は徐々に忍び寄ってきていました。
ANNのまとめでは5日、全国で確認された新型コロナの感染者は3万6174人。全国の感染者が3万6000人を超えるのは5月20日以来、およそ1カ月半ぶりです。
感染の再拡大に全国の知事は危機感を募らせています。
大阪府・吉村知事:「きのうは4500人ということで4000人を超えました」
神奈川県・黒岩知事:「改めて一人ひとりで感染対策をしっかりやって下さい」
5日の感染者が過去最多となったのが、島根県、愛媛県、熊本県の3つの県です。島根県の6日の感染者は689人。5日に続いて過去2番目の多さです。知事から聞こえてきたのは嘆きの声です。
島根県・丸山知事:「とびぬけて一番厳しい状況。今、この急増を止められるかどうか分からない。今、新規感染者への連絡が滞っている状況なので、どういうケースでどういう感染が発生しているかの把握自体を県が今、タイムリーにできていない状況」
島根県では人口10万人あたりの直近1週間の新規感染者数が432.41人と、沖縄に続いて全国2番目の多さになっています。
松江市内の飲食店は。
根っこや・古安良平代表取締役:「(感染者の)人数の拡大に驚いている。島根の人は気を付けて生活している印象」
県は、特に感染者の増加が著しい松江市、安来市、雲南市などの飲食店では当面の間「利用は原則4人以下」「滞在時間は2時間まで」とするなどの制限を要請しています。 7日からは対象となる地域が拡大される方針です。
すでに店の営業に影響も。
根っこや・古安良平代表取締役:「20人の団体客があった。そこが数件キャンセル。団体がなくなるのは痛い」
5日の感染者が1589人と過去最多だった熊本。県は、エアコンを使用する際はこまめな換気をするなど感染防止対策の徹底を呼び掛けています。
熊本県・蒲島知事:「病床に余裕があるという観点から、今の段階で大きく行動を制限する状態ではない。ただ注視していかなければいけないと思います」
観光面の影響も心配されています。雄大な阿蘇山を望む熊本県の阿蘇市のホテルです。
阿蘇内牧温泉蘇山郷・永田祐介館主:「今月も顕著に予約頂いておりますし、夏休みの動きもいいですね。熊本も過去最多を更新して、やっぱり今回の旅行はキャンセルしようかなと思われる人が一定数いるのは事実かなと…」
夏休み前の感染拡大。心配の声は大阪市の旅行代理店でも。個人客の予約数がコロナ前の6割にまで回復していたといいますが。
摂陽観光・藤原雅彦社長:「非常にショック。ここまで急速に増えると『県民割』もいったんストップも考えられる」
一方、医療現場には異変が起きていました。
神奈川県内のクリニックの駐車場に置かれているのは、白、緑、青、色違いの3つのテント。中は屋外診察室になっています。熱が出た患者はクリニックの中ではなく、このテントの中で医師は対応しています。
さらに、駐車場に次々とやってきた車。すると、看護師が運転席に近寄って問診が行われていきます。車から降りずPCR検査もします。医師によると、感染の拡大に比例するようにPCR検査の数も増えているといいます。2週間前に検査を行う人は一日に数人程度でしたが。
やまもとクリニック・山本晴章院長:「(1日の検査を)数人しかやらなかったのが最低とすると、やっぱり10倍程度増えてると思います。多い日は50%、少ない時はゼロという日もありましたので、最近はゼロという日はありません」
さらに、医師が警戒を強めているのがこれまでとは違った感染者の症状です。
やまもとクリニック・山本晴章院長:「咽頭(いんとう)痛と倦怠(けんたい)感が多いけれど、せきも出る人は出ますけども、比較的以前のタイプと比べると少ない印象。おそらくBA.5の感染力が強いから、なおかつ症状が軽いから、余計に拡散しやすい状況が生じていると思う」
東京の感染者のおよそ2割がBA.5の疑いがあるといいます。厚労省のアドバイザリーボードは感染者の急増の一因として危機感を募らせています。
厚労省アドバイザリーボード・脇田隆字座長:「BA.5がこれまでの免疫を回避する可能性もある。BA.5への置き換わりというもので今後の感染者数増加が加速していく可能性がある」
5日、4500人以上の感染者が出た大阪。知事も変異株を警戒。
大阪府・吉村知事:「直近1週間は368の検査数に対して99。約26.9%がBA.5かBA.4。増え方を見てもBA.5が作用している可能性が高い」
他にも感染が拡大した背景には夜間の滞留人口が増えていることやワクチンを打って時間が経って免疫が低下していること、さらに、猛暑の前倒しなどで部屋の換気が十分でないことが指摘されています。
新型コロナの感染が全国で再拡大するなか、東京では新規感染者の割合にある傾向が。5日、東京都では新たに5302人の感染が確認されました。そして、そのうちの4割が20代から30代だったということです。
高校生:「遊びに行きたいと思っているので人も多そうだし、計画ためらっちゃう。せっかく今一番遊べる時なのに」
猛暑が早まった東京。暑さ対策と感染対策に頭を悩ませているのが東京・新橋の飲食店です。
根室食堂・平山徳治店長:「猛暑で暑いけど、ささやかに扉開けて、お客さんが汗かいてるとどうしても閉めざるを得ないこともある。ジョッキを冷やした状態でお客さんに提供する。1杯、2杯生ビールを飲めば体温も下がるし…」
さらに、感染の拡大とともに客足にも変化があったといいます。
根室食堂・平山徳治店長「(2週間前は)週末にかけて予約入っていた。(7月に入って)予約が全く入ってこなくなってきた。(8月を)どう乗り切っていくか本当に悩ましい問題」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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