「希望が持てる沖縄」とは?“復帰っ子”たちが描くそれぞれの未来 本土復帰50年・沖縄の激しい選挙戦 |TBS NEWS DIG

「希望が持てる沖縄」とは?“復帰っ子”たちが描くそれぞれの未来 本土復帰50年・沖縄の激しい選挙戦 |TBS NEWS DIG

「希望が持てる沖縄」とは?“復帰っ子”たちが描くそれぞれの未来 本土復帰50年・沖縄の激しい選挙戦 |TBS NEWS DIG

参議院選挙は投開票日まで、あと4日に迫りました。沖縄選挙区では、毎回激しい選挙戦が展開されますが、50年前、沖縄本土復帰の年に生まれた人々は沖縄の課題と未来をどのように考えているのでしょうか。

沖縄ではアメリカの統治下から本土に復帰した1972年度に生まれた子どもたちを「復帰っ子」と呼んでいます。沖縄の戦後を象徴する世代です。

与那城千恵美さん
「あー、私達は復帰からずっと50年生きてきたんだっていう、何かそういうので初めて意識しました」

“復帰っ子”の与那城千恵美さんは、アメリカ軍普天間基地と住宅密集地が隣接する宜野湾市で生まれました。

与那城千恵美さん
「それまで基地っていうものが当たり前すぎて、あまり何も感じなかったんですけど、保育園からの知らせを受けたときに、頭が真っ白になって、体が震えて涙が止まらなくなったんです」

5年前の12月、長女の心丸さんが保育を受けていた園にアメリカ軍のヘリコプターの部品とみられるものが落下する事案が発生しました。

8歳になった心丸さんは今、普天間基地とフェンスを隔てて隣接する地元の小学校に通学しています。

心丸さん
「聞こえなくなる。飛行機がどっか行くまで」

学校の上を軍用機が飛び交い、爆音で度々、授業や友だちとのおしゃべりが中断するといいます。

与那城千恵美さん
「やっぱり、安心して子育てが出来る環境、沖縄。子どもたちが安心して学び・遊べる、学校の環境がある沖縄になってほしいと思っています」

観光とともに沖縄経済の中心を支える建設業。原油をはじめとする原材料費の高騰が業界を直撃しています。

伊志嶺匡さん
「(原材料費が)約50%ぐらい上がってるんですね。原材料費がずっと上がっていくという感じで」

那覇市出身で、同じく“復帰っ子”の伊志嶺匡さんは、道路舗装や滑走路の工事を請け負う建設会社を経営しています。

伊志嶺匡さん
「公共工事もいろんなインフラが整ってきたんですけれども、今後、この50年経ってですね、これから何か新しいことがあるかという展望があまり見えない」

若者がサービス業を志向する流れの中、人手不足は常態化しています。

伊志嶺匡さん
「まず、新卒者といわれる学卒、高卒・大学卒が応募がまず、ほぼ来ないです」

10年ほど前からは新卒採用を中止し、海外から技術者を採用しています。沖縄の働きやすさ、暮らしやすさは本当は武器になるはずだと、伊志嶺さんは指摘します。

伊志嶺匡さん
「新しい未来を展望できるような、やっぱ大きな絵をですね、書いていってほしいなと思うし、それを書くべきだと思う」

2人の“復帰っ子”たちが共通して口にした言葉があります。「希望が持てる沖縄を子どもたちに引き継ぎたい」。次の50年をどんな未来にしていくのか、“復帰っ子”たちは現実と課題に向き合い、1票を投じます。

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