「熱中症の4割は夜に」注意すべきは“かくれ脱水症”(2022年7月2日)

「熱中症の4割は夜に」注意すべきは“かくれ脱水症”(2022年7月2日)

「熱中症の4割は夜に」注意すべきは“かくれ脱水症”(2022年7月2日)

東京都心では観測史上最長に並ぶ8日連続の猛暑日となり、救急搬送される人も急増しています。そこで、熱中症対策はどうしていけばいいのか?済生会横浜市東部病院の谷口英喜医師にお話を伺います。

●東京都練馬区の午後9時過ぎの気温は30℃超え

高島)
今、夜9時を過ぎても30度を超えているという状況ですけれども、やはり寝苦しい夜になりそうです。こうなってきますと夜の熱中症っていう危険性もやはりあるんでしょうか?

谷口医師)
実は、熱中症は夜に4割が発症しているんですね。

高島)
4割、そんなに高いんですね。それを防ぐためにも、冷房をつけて寝れば大丈夫と考えていいんでしょうか?

谷口医師)
大方はそうなんですけれども、実はエアコンをつけていただけでは安心できません。もう1つの熱中症になりやすいリスク、それが体の水分が少なくなる「かくれ脱水」なんですね。この状態でいると体温コントロールができなくなって、夜間に体温が上がってきて熱中症を起こしてしまうリスクがあります。

高島)
「かくれ脱水」を防ぐためにできることは何なんでしょうか?

谷口医師)
適切な水分補給ですね。できたら時間を決めて水分補給をしていただきたいです。

高島)
やっぱり寝る前に?

谷口医師)
そうですね。寝る前と朝起きたときは必ず。そして、できたら夜中に1回起きて、こういう時期ですと少し飲んだ方がいいと思います。

高島)
ということは、枕元にコップや水筒を準備して眠りに就いたほうがいいという事ですか?

谷口医師)
その通りです。一口でもいいですから飲んでください。

高島)
分かりました。それにしても、本当に連日多くの方が熱中症で搬送されていますね。

●6月に熱中症で亡くなった方は17人

板倉)
東京消防庁管内の熱中症の搬送者数ですが、先週からぐっと増え今週は1445人の方が熱中症で搬送されました。6月に亡くなった方は17人。うち60代以上が16人ということです。しかも、屋内で熱中症になる方がほとんどだったということなんですね。谷口さん、屋内で熱中症になるっていうのは具体的にどういうケースなのでしょうか?

谷口医師)
ほとんどがエアコンのトラブル。エアコンを付けなかった、そして付けても故障していた。あるいは、暖房と冷房のスイッチを間違えて付けていた。そのような事例が報告されています。

板倉)
亡くなった方の内訳を見ますと、60代以上の高齢の方が多いですね。

谷口医師)
そうですね。やはり、加齢によって暑さを感じにくくなって、寒さだけを感じるようになるんですね。さらに、喉の渇きに気が付きにくくなります。そういうリスクがあります。

高島)
私もそうなんですが、暑くなるのが今年早かったので、6月中にエアコンはまだ付けちゃいけないかなと、そういう意識がある方も多いと思うんですよね。付けた方がいいですね。

谷口医師)
付けた方がいいですし、もう夏の服装、夏の寝具、そういうふうに臨んでください。

●熱中症の症状が出たらどうする?

高島)
そして、自宅にいて熱中症かなと思う症状が出た場合は何をしたらいいでしょうか?

谷口医師)
3つのことをしていただきたいんですね。
まず、体を冷やすということ。冷やすのはエアコンを使ってもいいですし、あとは冷たいものを首筋や脇の下、太い血管があるところに当てて頂きたいんですね。

高島)
よく、おでこに冷たいものを当てたりしますけども、それよりもやはり血管?

谷口医師)
そうですね。おでこは気持ちがいいだけで、あまり体温を下げませんので、それよりも太い血管を冷やしてください。2つ目は水分補給。これは、即座にとってほしいんですけども、摂る飲み物は経口補水液がベストです。私たち医療の世界でも、ガイドラインがあり、「熱中症には経口補水液」と掲載されているんですね。

高島)
では、この時期になったら1つ2つは冷蔵庫に入れて置くという。

谷口医師)
必ずご家庭に常備して下さい。そして、最後に救急車を呼ぶ判断をしてほしいということですね。すべて救急車を呼んでいたら救急隊が大変ですから。その判断基準というのは、水分が自分の力で取れるということ、そして意識がしっかりしてるということ。この2つが満たされていること。どちらかが駄目になったらやはり救急車をすぐ呼んでください。

高島)
やはり密でなければ、子供はマスクを外してもいいのかなと。

谷口医師)
そうですね。まず大人が見本を見せて子どもたちには絶対外して頂きたいんですね。

高島)
そして、来週以降なんですがこのように雨が降り、少し気温が下がると言われていますが、雨が降ったら少し安心していいんでしょうか?

谷口医師)
実は、雨が降るともう1つの敵、湿度が上昇するんですね。暑さ指数というのは、湿度が7割を決めます。したがって、今週も危ないけれども来週ジメジメした気候、これは熱中症のリスクが続きますので同じように適切な水分補給、暑さを避ける、そういう心掛けをしてください。

高島)
引き続きこの変化に敏感になりながら積極的に熱中症の対策を取っていきたいと思います。ここまで、谷口さんにお話を伺いました。ありがとうございました。

谷口医師)
ありがとうございました。

7月2日 サタデーステーションOA
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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